うちの会社は設計事務所向けに特注でロールスクリーンや網戸を開発、製造販売しているメーカーです。横内さんとの付き合いはもう10数年前からで、最初は標準のロールスクリーンを事務所用に購入されたのが縁の始まりです。その後、今のような断熱性を兼ね備えたロールスクリーンをつくれないかという相談を受け、一緒に開発を始めました。今では横内さんが設計した住宅には100%、うちのロールスクリーンが装備されています。
普通のロールスクリーンだとどうしても左右に隙間があいて熱が逃げるので、両サイドの柱と幕板(まくいた)のあいだの溝に生地を飲み込ませ、さらに溝から生地が抜けないように、横方向に等間隔でステンレスのフラットバーを芯材として生地に袋縫いして入れたいということでした。横内先生のイメージは和に傾きすぎない障子なんですね。フラットバーは当初幅20㎜厚でしたが、巻き付けるうちにバーが重なったりして、だんだん断面がきれいな円にならなくなるため、今は幅10㎜厚にしています。
また、気密性を考え、一番下には木製のボトムバーを付けています。これは現場の材料に合わせるため、あらかじめ大工さんにつくってもらい、うちが取り付けます。左右幅はあまりぎりぎりだと巻きずれが起こって擦ったり、突っ張って上がらなくなったりするので、開口寸法より15㎜狭くしています。以前は10㎜でしたが、これも改良しました。
ボトムバーはこれでも万全ではなく、木製だからどうしても反りが出るんです。極端な場合、下まで下ろしたとき、両脇は床に着いているのに真ん中が浮いてアーチ状になったりする。そうなると取り替えるしかないのです。






