特集/ケーススタディ4

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 1970年代に続々登場した打放しコンクリート小住宅群のなかにあって、密かな名作として知られるのが、室伏次郎設計の「大和町の家」である。竣工は1974年で、じつは安藤忠雄の「住吉の長屋」(76)より2年早い。
 この家の最大の見どころは「壁」にある。底面が7m×6mの箱型で、GLから半階分埋め込まれた3層の建築は、平面が3分割されている。南北の外壁からそれぞれ1.8m内側に入った位置にさらに2枚の壁が立っており、つごう4枚の壁が東西に平行に走っているのだ。さらに2枚のスラブによって、立面も3分割されており、9分割された南立面の木製サッシはその暗喩のようにも見える。

参考文献・出典
*1/『埋め込まれた建築』1989年、住まいの図書館出版局


>> 「大和町の家」のアクソノメトリックを見る
>> 「大和町の家」の平面図を見る

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