特集/ケーススタディ1

トランプの家のように

 この家の発想の原点は、板を立てかけたような、トランプの家をイメージしたところにあるという。立てられたトランプが寄りかかりながら立つ構築物。そのイメージを完遂するために、屋根、壁の見付けはここまで絞り込まれたのだ。
 その総体としての結果が、おのずからメッセージ性を送り出している。形態の純粋性がこの家に新たなストーリーを生み、建築を建築化しているということだろう。住むという機能を完結しながら設計の特異点を探るとは、そういうことなのだろうか。
 この小さな空間の内部1、2階に込められた、おのおの別世界の表情は鮮やか。箱が箱でなくなる見事さ。暮らしそのものもまた受けとめられている。


>> 「経堂の住宅」の屋根詳細図を見る

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