
建築のプロポーションがドアノブの位置でここまで変わって見えるとは知らなかった。小川晋一さんの「36M HOUSE」。正面写真を見るとき、36mという知識が頭に焼き付いているせいだろうか、小さく細長いと信じて見ていた。天井だってそれほど高いとは思いもしなかった。
常識的に2600mmぐらいで見ている自分がいる。現実は、玄関に近寄るほどに、スケール感が変わってくる。建物全体が大きくなってくる。ドアノブに手を掛けた瞬間に気づく。ドアノブがなんと1500mmの高さに付けられている。
手を触れるまではせいぜい1200mmの高さという常識をぬぐえなかったのだ。
建物空間内に入った瞬間の空間のゆとり。身体的に感じる大きさ。スケール感の表現を決定する要素。あらためて図面を読み直した。ミニマルなディテールを隠しぬいたデザインだからとはいえるだろうか。







