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2003年2月15日(土)〜4月26日(土) |
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建築をつくろうとするときに初めて見えてくるんだと思うんですよ。たとえばそれを使う人、管理する人、住民、地域性、そういう人や環境が初めて見えてくる。あらかじめ住民のイメージや地域性のようなものがあって、そのあらかじめあるものに対して、どんな建築をつくろうかというこ
とじゃなく——そうしたものはつくろうとしている建築との関係ですよね。僕はそう思う。
たとえば邑楽町でいうと、カフェのような役場をつくろうという話をしたとたんに、役場は開かれているべきだという抽象的な話が、一気に具体的になっていったよね。開かれるという意味がみんなの中で共有されていったように思うんですよ。今つくろうとしている建築のつくりかたと一緒に考えるからこそ、住民のことや環境のことや行政の仕組み、そういったものについて具体的に考えることができると思うんです。
つまり、具体的な名前をもった住民や管理者やユーザーが、もちろん具体的な環境を含めてだけど、建築をつくろうとする場面で初めて登場するわけでしょ。その人たちといっしょにプロセスを共有するということなんだと思うんです。住民参加というような方法があらかじめあるわけじゃないんだよ。その都度、つくりながら考えているわけだよね。
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