ケーススタディ4

精神は和に、造形は自由に

作品/「緑町の家
設計/竹原義二

日本建築の継承は、スタイルを継承した「和風」ばかりではない。もともとの「和」の精神を理解していれば、造形は自由な展開が可能だ。あまり「和風」には見えないが、これもひとつの「和」の建築。

取材・文/豊田正弘
写真/傍島利浩

「風(ふう)がつくのはどうも……。『和風』より『和』がいいなぁ」と竹原義二さんは笑った。
 竹原さんの建築からは確かに「和」を感じる。しかしグリッドにのった柱梁の架構が現しになっていたりするわけではない。その「和」の源泉はどこにあるのだろう。
「緑町の家」は軒の深い切妻屋根をもち、木地を生かした下見板が張られた総2階建て。ごく一般的な市街地の一角に溶け込むようなボリュームで立っていた。住宅をめぐりながらお話を聞くうち、3つのキーワードがおぼろげにみえてくる。それは「寸法」「素材」そして「時間」だった。


>>「緑町の家」の1階平面図を見る
>>「緑町の家」の2階平面図を見る
>>「緑町の家」のロフト階 平面図を見る
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