開発の苦労
——「においきれい」を開発したきっかけは?
じつは、ひとつ前のモデル、2012年に発売したネオレストを使っているお客さまからうかがった話がそもそもの始まりです。そのお客さまは人一倍きれい好きで、トイレは毎日掃除する。毎日掃除しているからきれいなはずなのに、「きれい除菌水」の付いたトイレにしたら「何かニオイが違う」と。しつこいニオイがとれるようになった、とおっしゃるんですね。気持ちを入れて洗っている方がそこまで言うからには、何かがあるのではないかと思いました。
——開発はどんなプロセスで行われたのですか。
最初は、ミスト状にした「きれい除菌水」を空気中にスプレーのようにまく方法を考えました。でもニオイ成分は空中に分散しているので、にまく方法を考えました。でもニオイ成分は空中に分散しているので、それと接触させるためには大量の「きれい除菌水」をまかなければならない。実際に装置でやってみると効果は出たのですが、水浸しになってしまって(笑)。
そこで、「オートパワー脱臭」と同様に、ファンで空気を吸い込み「きれい除菌水」をしみ込ませたフィルターを通してみました。そうしたら、空間中のニオイ物質の濃度が、ぐんぐん下がっていくんです。
——開発にあたって、とくに苦労されたことは。
開発には、原理原則の探究とつくり込み、ふたつの段階があります。探究のほうでは、まずニオイをとるときに何が主成分かを探すのですが、それが大変。私の自宅も含めて10カ月、10軒程度の社員の家で調べたのですが、ニオイの成分をまず集めなければならないので、みなさんにあまり掃除をしないように依頼しました。
——10カ月もですか?
私自身の家でも、掃除しないので汚くなる。家内に「掃除したいんだけど!」と怒られて……(笑)。しかも装置を使って測定するときには、1時間くらいニオイの成分を濃縮しなければなりません。というのも、人間の鼻のほうが装置より感度がいいんです。なので、当然室内のニオイはひときわで……(笑)。
——つくり込みの段階ではどうでしたか。
今回はフルモデルチェンジでコンパクト化にも取り組みました。小さくなって従来の機能を詰め込むだけでも難しいのに、新機能を追加しなければならない。フィルターの面積も稼がなければならないので、とても大変でした。
——尾関さんは「臭気判定士」の資格をもっていらっしゃいますね。どんな資格ですか。
臭気判定士は、そもそも工場の排水や排煙など事業所から発生するニオイの測定をするための国家資格です。けっこう難しくて合格率は3、4割くらい。筆記試験と、ブラインドテストのような嗅覚検査があります。
——ニオイのエキスパートというのは大変そうですね。
鼻が利くようにしておかないといけないので、それまで吸っていたタバコはキッパリやめました。臭気を測定するときには、ニンニクなどニオイのきついものを食べないなど気をつけています。
敏感な人のなかには、そうでない人の1万分の1くらいの薄い濃度でもニオイを感じる人がいます。茅ケ崎の総合研究所には「ニオイ博士」と呼ばれる大家がいて……(笑)。「においきれい」の開発にあたっては、その方にも協力してもらいました。とても敏感な鼻をおもちで、機器に対する造詣も深い。通常ニオイは混合臭、つまりいろいろな物質が混ざっているわけですが、機械が分離した個々の物質を、博士は自分の鼻で嗅いでニオイの主成分を探り出すことができる。私も判定士の資格をもっているのに、とてもそうはいきません。部署をまたいでタッグを組めたおかげで、全社のノウハウが連携し、今回の開発にもつながりました。
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