「やっぱりイワキの家は暖かい」の評価
「99%以上、デザインで選ばれていると思います」という言葉とは裏腹に、機能性、つまりテクノロジーについて語る河内さんの口調は熱い。開口部はすべてトリプルガラス、断熱は外張り断熱もしくはセルロースファイバーによる充塡断熱、つねに湿度を45〜60%にコントロールする換気システムなど、内部環境への徹底したこだわりは、間違いなくイワキの家のアピールポイントだ。いわゆるQ値(熱損失係数)やC値(隙間相当面積)は、次世代省エネ基準をはるかに上まわり、トップランナーの大手メーカーとも互角以上のレベル。河内さんも「住んでから、『やっぱりイワキの家は暖かい』とすべてのお客さんから言われます」と胸を張る。これらの基本性能に加えて、無垢材に含まれる化学物質のピネンや人体への影響が懸念される電磁波、あるいはマイナスイオンなど、河内さんはメモや資料を見ることもなく細かな数値とともに語りつづけ、室内環境について、常日頃、アンテナを張り巡らし、いかに研究を続けているかをうかがわせる。
ただ、トリプルガラスやQ値、C値などについてはホームページでも謳うが、そのほかはとくにアピールするわけではない。河内さんは「お客さんの顔に、『めんどくさい』と書いてあるから」と笑う。つまり、性能がいいことはイワキの家にとって、前提にすぎないのだ。「2、3年住んでみて、静かで休まる空間だなと感じてもらえればいいんですよ」との言葉は、技術的な詳細は一般の人の暮らしには関係ない、気持ちよく過ごしてもらうのはあたりまえ、と語っているように聞こえる。
派手な広告宣伝をしなくても、ここ数年、年間80棟前後で受注は堅調。住んでみて、そのよさがわかるイワキの家が、じわじわと人気の裾野を広げている。





