団塊ジュニアをターゲットに
河内さんが家づくりにかかわるようになったのは、独立後、大手ハウスメーカーの協力会社として職人の手配などを頼まれるようになってから。職人が集まらず、河内さん自らバックホーを駆って、土工事をこなしたこともあったそうだ。サラリーマン時代のツテで、大手ゼネコンと直接取引をするなど、少しずつ仕事の幅を広げていったが、億単位の不渡りをつかまされることもある不安定な経営体制を痛感して、直接エンドユーザーと向きあう住宅メーカーを目指すようになる。それがおよそ12年前のことだった。
その際、河内さんがターゲットと考えたのは団塊ジュニア層。親世代とは明らかに価値観が異なる若者たちが30代から40代となる今後10年、約150万棟のニーズがあるという分析に基づくものだ。河内さんがそこで開発した「FARM」は、「若い奥発した「FARM」は、「若い奥さんが家の中に入って、『かわいい!』と言ってくれる」デザイン性に加え、間取りや動線計画も「奥さま目線」を徹底。初めてモデルハウスをつくったとき、同業者からは「総スカン」だったそうだが、オープンして1週間ほどで購入者が決まり、周囲を驚かせた。以来、マイナーチェンジはあるものの「内部空間は、ずっと変わっていない」というから、発売当初から、完成形を提供している、といえる。そして、イワキの家のより大きな特徴は、河内さんが語るかわいいデザイン性や女性目線のつくり方より、むしろすぐれた機能性にある。





