TOTO出版25周年記念
対談 丹下健三は何を見ていたか
岸 和郎 + 豊川斎赫
2015年1月から3月にかけて、TOTOギャラリー・間で展覧会 「TANGE BY TANGE 1949―1959/丹下健三が見た丹下健三」が開催され、それに合わせて同名の書籍がTOTO出版25周年記念として出版されます。この企画全体の監修者である岸和郎さんとゲストキュレーター・編著者である豊川斎赫さんにお話をうかがいます。
司会・まとめ/伊藤公文
写真/藤塚光政
丹下健三が撮影した写真
- 豊川斎赫 2007年、私が丹下研究室に関する博士論文を仕上げたとき、研究室OBの方々が集まりを開いてくださり、その席で初めて丹下さんのご遺族にお目にかかりました。それが縁でお宅にうかがったところ、丹下さんが撮影された35㎜のモノクロームの写真のコンタクトシートを台紙に張ったものを示され、整理をしてほしいということでした。
- 岸 和郎 丹下さんが撮影された写真は、初期の作品集『現実と創造』をはじめ、当時の雑誌などにかなり多く使われていますが、その元になる写真というわけですね。
- 豊川 そうです。相当の量で、台紙にすると88枚もあって、大半は公になっておらず、公にされた写真の多くはトリミングがなされた後の状態のものでした。13年、生誕100周年のさまざまな展示のなかでも散発的に使われましたが、コンタクトシートの全容が知られる機会はありませんでした。




