特集4/ケーススタディ

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「アミダ」による見通し

「アミダハウス」は、富士山が眼前に聳える静岡県御殿場市の住宅地にある専用住宅。四辺がほぼ東西南北を向き、北側が前面道路の四角い敷地に立っている。
 平面上は、東西方向に走る芯々910㎜の幅の帯が両端にあり、中央部分に大きなスペースをとった川の字のような構成である。この構成は、中央部分において、西側に見える富士山に向かって、大きく開口部を設けるためのもので、構造上の耐力壁や、室外機置き場、収納、動線の多くが帯部分に集約されている。その結果、中央の部分は見通しがよく、内部の柱も鉛直荷重しか受けない、二次部材のような細さのポスト柱にできている。また、東西方向に走る川の字に対し、南北方向の中央には心々1820㎜の幅の中廊下を走らせてあり、その中廊下によって、ガレージや寝室、ダイニングキッチンなどの異質な用途をゆるやかに分断。地下ではそこを浴室や大きなクロゼットにするなどの工夫もみられる。
 さらに中央部分の見通しをよくしているのが、スキップフロアのようにずらしながら積層させる床の配置で、階層間で視線が遮断されないつくりである。通常の縦積みの床をずらしているので「アミダ」という名が冠されている。設計者の河内一泰さんは、この状況を、ル・コルビュジエのドミノシステムを引きながら、その理念である「自由な平面」と「自由な立面」を受けて、新たに「自由な断面」に挑戦したものだと説明している。壁による分断だけでなく、床による上下の分断も和らげたいという想いが込められている。


>>アミダハウスの平面図・断面図を見る

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Movie 「アミダハウス」

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