
——シェアハウスができる地域にとって、違う住形態が入ってきたときの反応はいかがですか。
- 内山 地域との接点をもつという観点では、都市部では地域の自治もあまり機能していませんし、まだあまり取り組むことができていません。ただ、昔からワンルームマンションができるときには反対運動が起きてきましたが、シェアハウスではこれまでとくに問題はありません。
- 髙木 社会人の若い人が街に来るのは大歓迎ですよね。夜中に騒ぐことはあるかもしれませんが(笑)。
- 内山 うるさくして注意を受けることは割とありますね。まあ、事件や事故は起こっていないので、重大な問題ではないと思っているのですが。
——シェアハウスに対する見方が「脱法ハウス」問題が広く知られるとともに変わってきているようにも思いますが、いかがでしょうか。
- 内山
「脱法ハウス」がシェアハウスと結びつけられてしまうことですね。法律自体は変わっていないのですが、「シェアハウスは寄宿舎」に該当するという解釈が発表されました。これまで私たちは、行政・消防との協議・確認を行い、シェアハウスへの改修、運営をしていますので、現時点で問題はないと考えていますが、今後の通知を注視していく必要がありそうです。今後規模が大きな集合住宅を転用する場合には、多少制限が入ることもありそうです。
戸建て住宅をシェアハウスとして適合させることが最も大変です。準耐火構造にして竪穴区画や防火扉を設ける必要があり、すべて建て替えなければならないという話になります。これからも混乱は続くでしょうね。
- 髙木 低価格の家賃で借りる人がいるのだから、低所得者への住居対策はいずれにしても必要ですよね。
- 内山 そうですね。また、増える空き家に対してシェアハウスはひとつの解決策だったので、この問題も同時に考えなければなりません。
- 髙木 ひとまわりして最初に出てきた話題に戻ります。シェアハウスを始める頃に観察された、ゲストハウスの展開は考えていますか。
- 内山 はい。ユースホステルの格好いいバージョンというとイメージされやすいのですが、シェアハウスよりも短期の形態は手がけようと考えています。共用部がしっかりとあって、1晩3000円から4000円で泊まれる施設は地方でも、また世界的にも共通していて、需要は高くビジネスになると考えています。こう話すとシェアハウスもホステルも、水商売的に聞こえますね(笑)。ただ、施設のリノベーションは、地域活性化メニューとして行政や民間から求められることが多くあります。コミュニティの新しいあり方として、それぞれの地域でシェアハウスを通じて情報を共有できればと考えています。





