『いい家は無垢の木と漆喰で建てる』(ダイヤモンド社)という書名を聞いたことがある方も多いだろう。2002年に刊行されて増刷を繰り返し、09年には文庫化(文春文庫)もされた。続編の『続いい家は無垢の木と漆喰で建てる』(ダイヤモンド社)も、すでに10刷に達しているという。建築関連書としては珍しい、ベストセラーといっていい。
著者は、神﨑建設を率いる神﨑隆洋さん。歯切れのよい文章や適度な文章量なども特徴だが、なによりも実際に数多くの家を建ててきた神﨑さんが経験をもとに語るのだから、内容に説得力がある。集成材や合板が強いという建築業界の「常識」を、正面から論破していくのも小気味よい。そんな神﨑さんは、建築について専門教育を受けていないというから驚く。





