特集1/インタビュー

足し算の果てに

伏見 横内さんは60歳になられますね。おおよそライトが「落水荘」(35)を設計し、前川國男が打ち込みタイルを使い出した年齢だそうですね。
横内 前川さんは、建築家は60歳からが勝負だとつねづねおっしゃっていました。50代はまだまだひよっこだと。それこそ「和」の理念のもとで足し算をしながら、たくさんの体験を積み重ねて、しかもそこから自由になったときに、いったい何が出てくるのか。僕自身も楽しみです。ライトだったら「落水荘」、ル・コルビュジエだったら「ロンシャンの礼拝堂」(55)です。前川さんは、人生の多くをともに歩んできた近代主義との葛藤が、60歳になって強くなったのだと思います。打ち込みタイルの使用はそのひとつの表れでしょうか。
伏見 横内さんも今年60歳になったわけですが、手応えはありますか。
横内 まだまだ、遠くおよびません。これからです。見ていてください。


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