特集/ケーススタディ7

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『新建築』(新建築社)1976年9月号には1枚、よく見ると奇妙な写真が載っている。「斜めの壁を境にして書斎と食堂を同時にみる」というキャプションが付いた「緑ヶ丘の住宅」の見開き写真だ。平面図では同じ奥行きのはずなのに、写真では明らかに食堂より書斎のほうが奥行きが深いのだ。理由は簡単で、長方形の平面に差し込まれた「斜めの壁」のパース・逆パース効果のなせるわざである。
「実際にできてみると、パースペクティブとか逆パースというのは人間にとって本当に異様なものでしたね。実際に物理的な距離が長くも短くも見える、しかもそこをグルグルとまわれる」(*1)(この発言を補足すると、斜めの壁の両端にドアがあり、回遊性が生じるのだ)

参考文献・出
*1・5・7・8/ 『長谷川逸子/ガランドウと原っぱのディテール』 ディテール別冊、2003年7月刊、彰国社
*2・4・9/『海と自然と建築と』2012年、彰国社
*3/『SD』1985年4月号、鹿島出版会
*6/『新建築』1976年9月号、新建築社


>>「緑ヶ丘の住宅」のアクソノメトリックを見る
>>「緑ヶ丘の住宅」のスケッチを見る
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