特集/ケーススタディ9

矛盾と対立の萌芽

 室内に乱舞する構造体。
 表面を覆うユーモラスな図形の戯れ。
 幾何学立体の出あい頭の衝突。
 ここにはいくつもの矛盾と対立が胚胎し、やがてそれぞれが芽を吹き、篠原をして完結することがない未踏の冒険へと誘うことになった。「上原通りの住宅」は、篠原の作品群のなかでもとりわけ明瞭な反曲点として、とわに輝きを放ちつづけることだろう。


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