特集/ケーススタディ

ときには町工場のように 木村松本設計事務所 ホームページへ 木村松本設計事務所 ホームページへ

「 “好き” ってどういう意味だか知ってますか。子は男のこと、だから女と男がひとつになって “好” 。陰と陽、相反するものが一緒になって “好き” になるのよ」
 台湾観光に夫婦で出かけ、台北の下町、龍山寺の子宝観音の前で、ガイドの張さんから聞いた説明が新鮮で、頭に残った。
 それから4日後、私は「K」の取材で大阪へ向かった。
「K」の建築家、木村松本さん(本当は木村吉成さんと松本尚子さんの夫婦なのだが、ふたりの漫画家の共同ペンネーム、藤子不二雄さんの例にならうことにした)は、住宅を設計するとき、「私」の土地と他者の土地のあわいに「好」を醸成したいらしい。「好」は「公」に通じるかもしれない。でもそれが「K」にどのように具現しているのか、住宅雑誌に載った写真をにらんでいてもぴんとこなかった。それよりこれらの写真には、ある種のなつかしさが漂っていた。「レトロ」なのである。発売前から注文が殺到したホンダの軽乗用車「N-ONE」は、昭和42(1967)年発売の「N360」のデザインを下敷きにしているし、昭和34(1959)年に発売されたオリンパスペンの姿かたちは、マイクロ一眼オリンパスペンとなってよみがえった。建築でも、感度のいいデザイナーなら昭和レトロに注目しないわけがない、と踏んだ。


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Movie 「K」

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