安全性と使いやすさを検証

 最後に、「東京ソラマチ®」のトイレを見学した。全長400mにもおよぶ商業施設だけに、トイレを分散して配置する必要があり、全部で26のトイレを設けたとのこと。撮影した6階レストラン街には3カ所にトイレがあり、うちメインエレベータのそばには多機能トイレもある。
 内装は木質系の柱型と櫛引きの漆喰調の白壁を基本にした、あたたかなイメージ。洗面コーナーもパウダーコーナーも柱型で個別に仕切られているので、ゆったり落ち着ける。設計を担当した日建設計の皿海(さらがい)博章さんによれば、色合いは各フロアの内装に合わせて、下から上へ行くにつれて濃くなっているという。
「デザイン性だけでなく、床のタイルがすべったりしないかなど、安全性を重視する一方、パウダーコーナーの棚の高さや形状なども使いやすいように配慮しました」と語るのは東武鉄道の松井さん。皿海さんも「洗面台の脇には荷物が置ける台を設け、パウダーコーナーにもポーチが置ける台や買い物袋を掛けるフックを設けるなど、細かい点にも気を配りました。社内の女性スタッフが自社でこれまでに設計した都内のビルや百貨店のトイレをまわって棚の高さなどを計測し、そのデータをもとに、東武鉄道さんと情報を共有しながら進めました」と振り返る。

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