最初に向かったのは東京スカイツリー®。展望台は地上350mと450mの2カ所にあり、前者の第1展望台は「天望デッキ」、後者の第2展望台は「天望回廊」と呼ばれている。
観光客は通常、まず天望デッキに着くそうだが、撮影の都合上、エレベータで一気に天望回廊に上がると、そこは445m地点。ここからもう1層上の450m地点までは、らせん状のガラス張りのスロープを歩いて上ることになるが、その回廊を上りきった所にトイレがあるのだ。
展望スペースの眺めを第一に考えた結果、男女トイレ、多機能トイレとも窓には面しておらず、広さも個数も最小限。設計を担当した日建スペースデザインの鈴木真弥さんは「上は緊急にどうしてもという人のために用意しました。だから、なるべく低層部のトイレですませていただきたいですね」と苦笑い。
また、トイレを含めた天望回廊の内装は白一色。その分、外の青空が冴え渡って見える。「空の色を中まで取り込みたかった。青空のときは青っぽく、夕方はオレンジがかって見えるんです」と鈴木さんは語る。
一方、天望デッキは正確には340m、345m、350mの3層からなり、最初にエレベータが着くのが地上350mにあるフロア。このフロアのトイレは内装に合わせてトイレ内部も黒を基調にしており、壁の一部に江戸小紋の柄を取り入れている。男子トイレに青、女子トイレに紫を選んだのは、タワーの夜のライティング「粋」と「雅」のテーマカラーに合わせたものだという。





