特集/ケーススタディ4

縦と横のつながりを再調整する

 改修前後を見比べると、もともとは事務所と住居という独立した用途だった2階と3階を一体の住居としてリノベーションするにあたり、縦と横のつながりをそれぞれ再編集することが改修の要点だったようだ。まず、このビルでは、各階の行き来は外部階段でしかできないつくりだったため、縦のつながりを内部でつくる必要があった。浴室から居間に移動するのに一度外に出なければいけないのは酷である。そのため、3階中央のスラブに大穴をあけ、その真下に階段を設え、内部に動線がつくられた。いわば二戸一化の手法である。また、この内部階段の踊り場は広くつくられ、2階と3階のあいだに中2階ともいえるレベルがある。3階レベルから1150㎜低い位置にある中2階は、2階からも3階からも近からず遠からず。2階と3階の一体化に効果を発揮しているように感じられた。
 次に、3階だけだった住居スペースが拡張されるため、2階と3階の間取り、いわば横のつながりが再調整された。この地域は住宅街のため、3階建てのビルは、周囲より頭ひとつ飛び出ている。そのため、3階部分の間仕切りを取り払ってしまえば、4面から採光や通風が得られ、明るく開放的な空間になる。この明るい3階が、間仕切りのない大きなLDKのスペースになった。一方で、隣家に開口部を遮られてしまう2階に、閉鎖性の高いプライベートなスペースが配されている。その際、寝室や書斎などを、隔てなく一緒に配置するのはさすがに難しく、もともとはがらんどうに近かった2階のスペースがいくつかに仕切られることになった。この2階の分節のためにつくられたのが、この住居の中央にある「箱」だった。


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Movie 「家具化した壁」

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