特集/ケーススタディ2

黙せよ、ディテール 横河 健 ホームページへ 横河 健 ホームページへ 横河 健 ホームページへ 横河 健 ホームページへ

「黙せよ」
 そう、建築家の横河健さんは言う。
 建築は多くの素材から構成される。それらが集まる部分の各々に、必然的にディテールが発生する。放っておけば、素材のそれぞれは気ままに声を発し、ディテールはさまざま自由なポーズをとろうとする。素材は性状も形状も、何もかもが異種、異質であるのだから、それがむしろ自然の成り行きであるともいえる。
 しかし横河さんは、それらの素材あるいはディテールに対して、ひとこと「黙せよ」と言い聞かせる。なぜならば建築の全体、空間の全体を形づくっていこうとする筋道が重要であって、素材やディテールには、それに沿って振る舞うことを強く求めるからだ。
 とはいえ、全体と部分の関係が一方向というわけではない。全体が部分のありようを規定することもあれば、逆に部分の解決が全体の組み立てに刺激を及ぼすこともある。あくまでも双方向。要点は、全体との関係性を欠いたまま部分が自律して存在することを排するところにある。


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