特集/ケーススタディ1

光のディテールで場をとらえる 八島夕子 ホームページへ 八島正年 ホームページへ 八島夕子 ホームページへ 八島正年 ホームページへ

 都市に住宅を建てるには、日本特有の事情に配慮する必要がある。小さく変形した敷地、幅の狭い道路、建ぺい率・容積率、斜線制限などなど。それに対応すべく、クルマ界における軽自動車のように、都市住宅は独自の進化を続けてきた。思えば、雑誌『都市住宅』(鹿島出版会)の創刊が1968年。そこを舞台に活躍した「都市住宅派」の建築家たちによる試みをその嚆矢(こうし)とするなら、40年あまりの歳月が流れたことになる。中庭、半地下、ロフトの活用、屋上庭園といった手法は繰り返し試みられ、いまやとくに意識されることがないほどに一般化した。
 外壁を閉ざして、トップライトから採光する手法もそのひとつ。密集した周辺環境に対して、明るさとプライバシーを両立させる。今回訪れた「関前の家」でも、ごく自然に採用されている。しかし、そんな図式的な理解はあっさりとくつがえされた。配置計画からプランニング、開口を含めた断面計画、そしてディテールに至るまで、さまざまなスケールでの入念な設計により、洗練といったレベルをはるかに超え、光によって変容した空間を体感することになる。
 


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Movie 「関前の家」

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