では、コストを抑えるために、チェックの段階で建築家の設計は標準化されていくのか。じつはそこにも欧倫ホームの、いや尾崎さんの独特の発想がある。
「今は世界中を探せば、いろんな建材や材料があるし、ほとんどの寸法のものが手に入る。だから安易に『特注』せず、探しまわってもらうんです」
こだわりがあってその材料や寸法を採用するのだから、こだわりをもって探せということだ。そのための後押しは厭わない。尾崎さん自身も、建築家やスタッフとともに世界の建材展・デザイン展に出かけ、いいものがあれば買いつけてくる。「最近はポーランドやルーマニアのものがいいんです。よく勉強していてセンスもいい。フランスやイタリアのものよりいいかもしれない」といった発言がさらっと出てくるのも、日頃の情報収集の成果だろう。結果として、こだわりの部分も「既成品」で納めることが可能となり、標準化しなくてもコストは抑えられる。設計意図の実現とコスト抑制を両立する秘訣がそこにある。





