新製品にはほかにも大きな見どころがふたつあります。節水と節電という、環境に貢献する技術の進化です。ひとつは「ネオレスト」の床排水型で実現した3.8L洗浄の超節水機能で、従来の4.8Lより洗浄水量をさらに1L減らしました。
TOTOでは所定の量のトイレットペーパーや排泄物のうちの重いものも軽いものも、すべて等しく下水管まできちんと搬送し、かつ便器のボウル面に汚れを残さない――そういう自社のきびしい条件をクリアしたうえで節水を達成しなければ意味がないと考えています。そのため、背後にはボウルや排水経路の形状を見直すといったたくさんの技術者の努力があるのですが、じつは先ほどの「便器きれい」の技術も、この節水に貢献しています。
つまり、子どもが飲み残したジュースが入ったコップを洗うときのように、汚れがとどまっているものを洗おうとすると水をたくさん使いますが、あらかじめ汚れがさっととれやすい状態にしてあるコップなら水も少なくてすむ。だからこそ、3.8Lが可能になったということです。
もうひとつの新機能は、「瞬間暖房便座」です。使うときだけあたためるから節電になり、高い省エネ達成率を実現できました。TOTOでは、耐久性を考え、便座の素材はお風呂でもおなじみのFRPを薄肉にしたものを使用しています。
こんなにいろいろ達成すると、もうできることがないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。私自身、TOTOのトイレは大好きですが、気になるところもたくさんある。妻と一緒ですね。トイレのほうが改良しやすいと思いますので(笑)、今後もその進化をお目にかけられる日をどうぞ楽しみにしていてください。




