特集/ケーススタディ

「ずれ」と「ねじれ」の強度 MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO ホームページへ

 漁港の町として知られる静岡県焼津市。以前はアーケードも架かっていたという商店街から少し奥に入った通りに面して、惣菜と精肉を販売する店舗「とりりん」はある。正面から見ると、屋根が斜めに架かっていることはわかるが、その全容がわかってくるのは側面にまわってから。
 屋根の形は工場でよくみられるノコギリ型をしており、4つの山ができている。そして、それぞれの屋根面が、ねじれている。
 この形状は「HP曲面」の屋根面をもつユニットが連続してできているもの。「HPシェル」「双曲放物面」とも呼ばれるこの曲面は2本のねじれた位置関係にある線分同士を、直線で結んでいってできる。この建物でいえば、正面から見て左右両側の壁と屋根との接線同士を結んでいったもの。建物の正面妻側から見ると、右側上端が高く左側上端が低いが、奥に行くにつれて右端部の位置は下がり、左端部は上がっていく。短手方向に輪切りにすると、長さの異なる2本の柱に梁の架かる変形した門型フレームが現れるが、それらの部材はすべて直線。出来上がる屋根面は曲面でありながら、骨組みとなる構造材は曲げ加工がいらず直線の部材でつくることができる。そして、建物の真ん中でまっすぐな軸が通るので、引き戸のサッシやガラス間仕切りはここに納めることができる。


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