丁寧な打ち合わせと設計力

 山下建設は、40人弱というスタッフで年間約150棟の本格注文住宅を手がける。過去10年ほどで見ると、180棟、200棟(建て売り住宅を含む)と建てていた年もあるそうだ。爆発的に数字が伸びたきっかけのようなものはなく、「さまざまな人たちの紹介などで、少しずつ増えただけ」と多くを語らないが、堅調な受注の理由は老舗の信用だけではないだろう。
 山下建設の特徴のひとつとして、設計力が挙げられる。設計スタッフは10人余。設計期間は3カ月ほどが平均で、長い場合には半年以上に及ぶ。その間、打ち合わせのために20回以上来社する建て主も少なくない。相手まかせにしない、真剣な建て主像が浮かぶ。会社側でも、遊び場や砂場、土日には保育士も招いて子どもたちが安心して過ごせる環境をつくり、両親が打ち合わせに集中できるよう心を配る。
 そんな集中した打ち合わせのなかでは、設計側からも、たとえば、ホタテ貝の漆喰壁など、健康建材や天然素材を研究するなかでたどり着いた素材を推奨し、現在は「ゼロエネルギー住宅」を謳う太陽光発電などのシステム提案も行われる。つまり、自分たちがよいと思うものを奨めながら、建て主の希望をかなえる方向を探るのである。
 規格化されたプランや仕様を選ばせるのではなく、逆に相手の言いなりでつくるのでもないところに、山下建設の家づくりがある。そのために、設計や施工の担当者はもちろん、営業スタッフでも日頃の勉強が欠かせない。

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