TOTO
磯崎新の建築・美術をめぐる10の事件簿
 
磯崎新の建築・美術をめぐる10の事件簿
2刷
著者=磯崎新+新保淳乃+阿部真弓
企画・編集=小巻哲
発行年月=2010年2月
体裁=菊判(218×151mm)、並製、324頁
ISBN=978-4-88706-308-2

ブックデザイン+DTP=秋山伸+堤あやこ/schtücco

定価2,200円(本体2,000円+税10%)
TOTO出版20周年記念 講演会「近著と建築・デザインを語る」
「日本」がまだあった頃
講師=磯崎新
イベントレポート
あらゆる領域を横断せよ
磯崎新と2人の美術史研究者による建築と美術をめぐる対談集
本書は、建築界の巨匠・磯崎新(いそざき・あらた)氏が、ルネサンス以降の500年の歴史から建築・美術にまつわる重大事件を10件とりあげ、現在との関係をひも解いていく骨太な読み物です。

対談相手に迎えたのは新進気鋭の美術史研究者・新保淳乃氏と阿部真弓氏。2人と磯崎氏との対話は建築・美術だけにとどまらず、国家・宗教・政治・産業・文学・映画など、あらゆる領域を横断して展開されます。15世紀から19世紀までは1世紀ごとに1つ、20世紀からは20年ごとに1つ抽出された10の事件。1つの事件を読み終えるごとに、新たな歴史軸が自分の中に確立されていくような読み応えがあります。

世界をどう認識するか、これからの時代をどう考えるべきかを深く考えさせられる本書、ぜひご覧ください。
立ち読み
プロフィール
磯崎新 Arata Isozaki
1931年大分県生まれ。1954年東京大学工学部建築学科卒業。1963年磯崎新アトリエを設立。
代表的な建築作品に「大分県立中央図書館」(現アートプラザ)、「群馬県立近代美術館」、「ロサンゼルス現代美術館」、「バルセロナ市オリンピック・スポーツホール」、「なら100年会館」、「秋吉台国際芸術村」、深圳文化中心」、「北京中央美術学院美術館」など。 著書に『空間へ』、『建築の解体』、『UNBUILT /反建築史』、『建築における「日本的なもの」』など多数。
新保淳乃 Kiyono Shinbo
1973年生まれ。2001年千葉大学大学院博士課程修了。文学博士。2001-04年イタリア政府給費生、日本学術振興会海外特別研究員としてイタリア、ローマ大学ラ・サピエンツァに留学。現在、千葉大学・武蔵大学非常勤講師。
阿部真弓 Mayumi Abe
1977年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得済満期退学(表彰文化論)。ボローニャ大学文哲学部美術史専門課程終了(近現代美術専攻)。イタリア政府給費留学生、日本学術振興会特別研究員を経て、2008年より独立行政法人国立美術館 国立新美術館に勤務。
コンテンツ

はじめに……磯崎新

第1章|15世紀
建築書はなぜ書かれたか
蝶番(ヒンジ)としてのアルベルティ――建築の「成立」から「解体」への道

第2章|16世紀
サッコ・ディ・ローマ
中心の喪失が強いた〈離散〉と〈手法〉

第3章|17世紀
権力者のパトロネージ
踊らさせる建築家たち――ベルニーニとボッロミーニ

第4章|18世紀
グランド・ツアー
古典が相対化された時代――ローマ参詣とピラネージ

第5章|19世紀
革命の挫折と近代国家の成立
『ルイ・ボナパルトのブリューメル18日』――見抜いていたマルクス

第6章|20世紀 [1] 1900-10年代
未来派のメトロポリス
時間と速度の変容――マリネッティとサンテリア

第7章|20世紀 [2] 1920-30年代
ファシズム時代のアーティストたち
古典主義と合理主義――あるいは西欧近代の遭難譚

第8章|20世紀 [3] 1940-50年代
ネオ・レアリスモ
「リアル」とは何か――イデオロギーが激震した時代のこと

第9章|20世紀 [4] 1960-70年代
消えたユートピア
革命と洪水が残したもの

第10章|20世紀 [5] 1980-90年代
群島(アーキペラゴ)の間(はざま)に……
均質空間を崩す――ノーノ、カッチャーリ、イソザキ

あとがき――まだ事件現場にいます。…… 磯崎 新

関連書籍
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企画・編集=ギャラリー・間
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責任編集・写真=藤塚光政
文=隈研吾