TOTO
ルミノシティ/ポロシティ
 
ルミノシティ/ポロシティ
2刷
著者=スティーヴン・ホール
発行年月=2006年6月
体裁=A5判(210×148mm)、並製、248頁、和英併記
ISBN=978-4-88706-270-2

デザイン=折原滋

定価2,640円(本体2,400円+税10%)
スティーヴン・ホールの建築 ―― 光と影の眩い世界
ニューヨークを拠点とし米国内外にも多くの作品を手掛け、2001年には『Time』誌にて「目と心を同時に充たす建築を設計しているアメリカ ナンバー1の建築家」と称されたスティーヴン・ホール。1993年、ヘルシンキの「キアズマ現代美術館」の国際設計コンペを勝ち取ったことを契機に、活躍の場を世界へと広げてきました。日本でも「ネクサスワールド スティーヴン・ホール棟」(1991年)、「幕張ベイタウン パティオス11番街」(1996年)を設計しています。また、アルヴァ・アールト・メダル、アメリカ建築家協会(AIA)建築賞の二度の受賞など、国際的にもその実力を高く評価されています。

本書のタイトルにもなっている“ルミノシティ/ポロシティ”は、現在、ホール氏の建築の中心的なテーマとなっている「光」と「孔(あな)」を表しています。この言葉は「建築というものを経験するときに沸き起こるはずの感動や歓びのきっかけとなるのは、ひとつの物体としての形状に心を奪われることではなく、空間の内側、空間の周囲、空間の間といった空間の存在そのものがおこす一連の現象を経験することによる」と考える、氏のアーティスティックな感性と思想が凝縮された概念です。

天井から降り注ぐ眩いばかりの光、時間とともに美しく変化する空間の表情、光と図形・色彩の反映・影による戯れ……。「光は言葉によって表せるものではない」と語る氏は、光を考え抜いた作品自体の空間によって、見る者、その空間を体験する者に、より直接的に雄弁なまでに建築の本質をなす光の意味・重要性を語りかけてきます。本書では、代表作から近作・最新プロジェクトまでの21作品の作品解説、ビヴィットな写真、コンセプトとなった色彩豊かなドローイングを通して“ルミノシティ/ポロシティ”の世界に迫ります。
プロフィール
スティーヴン・ホール Steven Holl
1947
ワシントン州のブレマートンに生まれる
1970
ワシントン大学を卒業後、ローマに留学
1976
ロンドンのAAスクールで研究を続けながら、同年、スティーヴン・ホール・アーキテクツを設立。
1989
ニューヨークのコロンビア大学大学院建築学科教授
現在
美術館、教育施設、住宅など幅広いプロジェクトを手がけ、国際的な評価を得る一方、ニューヨークのコロンビア大学大学院、シアトルのワシントン大学、ニューヨークのプラット・インスティテュート、フィラデルフィアのペンシルバニア大学で教鞭をとっている。
建設中のプロジェクトには、アイオワ大学美学美術史研究棟(アイオワシティ、アイオワ州 1999-2006)、ネルソン・アトキンズ美術館増築(カンザス・シティ、ミズーリ州 1999-2007)などがある。また、2005年には、ヘルニング美術センター(ヘルニング、デンマーク)、サーフ・オーシャン文化センター(ビアリッツ、フランス)、セイル・ハイブリッド(クノック・ヘイスト、ベルギー)の各プロジェクトで、国際コンペティション最優秀賞を受賞。2001年にはTime誌にて、目と心を同時に充たす建築物を設計しているアメリカのナンバー1建築家と称された。

■主な作品
1997
聖イグナティウス礼拝堂(シアトル、ワシントン州、アメリカ)
1998
キアズマ現代美術館(ヘルシンキ、フィンランド)
2000
サルファティ・ストラートのオフィス(アムステルダム、オランダ)
2002
MITシモンズホール(ケンブリッジ、マサチューセッツ州、アメリカ)
2004
ホイットニー浄水施設&公園(サウスセントラル・コネティカット、コネティカット州)

■主な受賞
1998
アルヴァ・アールト・メダル
1999
アメリカ建築家協会(AIA)建築賞(キアズマ現代美術館)
2001
フランス建築アカデミー金賞
2003
アメリカ建築家協会(AIA)建築賞(MITシモンズ・ホール)

■主な展覧会
1989
個展(MOMAニューヨーク近代美術館、ニューヨーク、アメリカ)
1991
個展(ウォーカー・アート・センター、ミネアポリス、ミシガン州、アメリカ)
2000
パララックス展(マックス・プロテッチギャラリー、ニューヨーク、アメリカ)
2001
パララックス展(アメリカン・アカデミー、ローマ、イタリア)
2002
アイデア・アンド・フェノメナ展(ウィーン建築センター、ウィーン、オーストリア)
ヴェニス・ビエンナーレ・アメリカ館(ヴェニス、イタリア)
都市から砂漠へ-風景の密度展(バジリカ・パラディアナ・ディ・ヴィチェンツァ、ヴィチェンツァ, イタリア)
2003
アイディア・アンド・フェノメナ展(ストックホルム建築美術館、ストックホルム、スウェーデン)
スノーショー展(オブロング・ヴォイドスペース、ラップランド、フィンランド)
2004
ヴェニス・ビエンナーレ・メタモルフォ(ヴェニス、イタリア)
トールビルディング展(ニューヨーク近代美術館、アメリカ)
2005
ポロシティ展(南カリフォルニア建築研究所、ロサンジェルス、カリフォルニア、アメリカ)
ハイライン展(ニューヨーク近代美術館、アメリカ)
目次

ポロシティ
ルミノシティ/ポロシティ(論文)
ヘルニング美術センター(HERNING, DENMARK, 2005)
サーフ・オーシャン文化センター(BIARRITZ, FRANCE, 2005)
セイル・ハイブリッド(KNOKKE-HEIST, BELGIUM, 2005)
プレイナー・ハウス(ARIZONA, USA, 2002-2005)
ピノー財団(PARIS, FRANCE, 2001)
スイス大使館公邸(WASHINGTON, D.C., USA, 2001-2006)
タービュランス・ハウス(NEW MEXICO, USA, 2001-2005)
ライティング・ウイズ・ライトハウス(NEW YORK, USA, 2001-2004)
ネイル・コレクターズ・ハウス(NEW YORK, USA, 2001-2004)
ネルソン・アトキンズ美術館(MISSOURI, USA, 1999-2007)
アイオワ大学美学美術史研究棟(IOWA, USA, 1999-2006)
ホイットニー浄水施設・公園(CONNECTICUT, USA, 1998-2004)
MIT シモンズ・ホール(MASSACHUSETTS, USA, 1999-2002)
プラット・インスティテュート ヒギンズ・ホール(NEW YORK, USA, 1997-2005)
聖イグナティウス礼拝堂(WASHINGTON, USA, 1995-1997)
サルファティ・ストラートのオフィス(AMSTERDAM, THE NETHERLANDS, 1996-2000)
キアズマ現代美術館(HELSINKI, FINLAND, 1993-1998)
クランブルック科学センター(MICHIGAN, USA, 1992-1998)
ディー・イー・ショー(NEW YORK, USA, 1992)
パラッツォ・デル・チネマ(VENICE, ITALY, 1990)

作品リスト
クレジット
略歴

関連書籍
A5判作品集(海外)
著者=アレハンドロ・アラヴェナ
A5判作品集(海外)
著者=デイヴィッド・アジャイ
A5判作品集(海外)
著者=アルベルト・カンポ・バエザ
関連展覧会