ケーススタディ02

まさに家のような家 藤村龍至建築設計事務所 ホームページへ

 まるで倉庫のような家=「倉庫の家」(2011)、まるで小屋のような家=「小屋の家」(11)に続いて、まさに家のような家=「家の家」(12)と名づけられた住宅がつくられた。
 立地は、東京郊外の、農地転用によって生まれた新興住宅地の一画である。周囲の区画には、敷地の北側に建物を寄せ、南側に庭をとり、建物には勾配屋根をかけた、典型的な木造2階建ての住宅が並び立っている。すべてを同じメーカーが建設したわけではなくとも、似た条件のためか、同じような住宅が顔を揃えている。そうした街並みには、統一感や清潔感があり、ひとつの住宅でそれらを台なしにするわけにはいかないのであろうが、一方で建築家としては周囲に付和雷同せず、状況を検証したうえでのものづくりが、同時に求められるだろう。その点、「家の家」もまた、周囲の「家」との調和を図りながら、慣習的な「家」を批判的に継承しようと試みた住宅である。


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