1枚の紙がある。切ったり折ったりして、ずれ、ねじれを生むと、紙はやがて立ち上がり、空間をつくる。バウハウスがそんな訓練を学生たちに体験させたと聞いた。白い紙のあいだに生まれる空間から、それまでの様式建築とはまったく異なった空間を意識した、新しいモダンデザインの原理を探したりもしたのだろうか。あらためて建築空間発想のアプローチのひとつの手法として、「ずれ」「ねじれ」を最近の建築作品のなかに探ってみた。
表紙写真/「LIGHT-LIGHT SHELTER」の屋根。 写真/川辺明伸