ひとつの建築、それ自体が新しい情報発信メディアのひとつとして評価されるようになってきたのだろう。商業ビル以外にも建築のみならず建築家をプロデュースする人たちの活躍が見えてきた。集合住宅から戸建て住宅にまで。明らかに今という時代のマーケティングに応える人たちなのだろう。建築現場の知識、デザインの時代性、加えてマーケティング的知識をも含めた問題にも応えられる豊富な経験。時代の動きに敏感に反応する感性もあって建築家を提案することを可能にした人たちでもある。いわば「目利き」か。建築情報が錯綜する今、施主と建築家のあいだに立って、双方を睨む。もちろん感性だけに収まらない大きな器が必要とされる。彼らの思考の流れを知っておくことも、また、建築家にとって重要かもしれない。あらためて多方面で活躍する建築プロデューサーにその意味を問うてみる。
表紙=「建築家をプロデュースする人たち」。
左から大島滋さん、織山和久さん、平生進一さん、髙木栄一さん。