*1 大高正人
(おおたか・まさと/1923~)建築家、都市計画家。おもな作品=「坂出市人工土地」(86)。
*2 レイナー・バンハム
(Reyner Banham/1922~1988)イギリスの建築批評家、建築史家。おもな著書=『第一機械時代の理論とデザイン』『環境としての建築』『巨匠たちの時代』(いずれも鹿島出版会)。
*3 吉村順三
(よしむら・じゅんぞう/1908~1997)建築家。おもな作品=「軽井沢の山荘」(62)、「青山タワービル・タワーホール」(69)。
*4 奥村昭雄
(おくむら・あきお/1928~)建築家。空気集熱型パッシブソーラーの開発者。おもな作品=「星野山荘」(73)、「愛知県立芸術大学」(吉村順三設計事務所と共同・74、92)。
*5 空気集熱型パッシブソーラー
空気を媒体とした太陽熱利用の暖房・換気システムで、奥村昭雄が開発。1973年の「星野山荘」を原点とし、87年に「OMソーラーシステム」として完成させた。軒先から通気層に取り入れた外気を屋根の集熱面(おもにガラス付き金属板)であたためて棟まで上昇させ、電動ファンにより「立ち下がりダクト」を通して床下に送り、コンクリートベタ基礎に蓄熱して床をあたため、最終的には窓際の床面から温風を室内に吹き出させる。
*6 ブルネル
(Isambard Kingdom Brunel/1806~1859)イギリスのエンジニア。グレート・ウェスタン鉄道の施設や車両を設計した技術者。
*7 イームズ
(Charles and Ray Eames/Charles 1907~1978/Ray 1912~1988)アメリカの建築家、デザイナー夫妻。おもな作品=「イームズ邸」(49)。
*8 清家清
(せいけ・きよし/1918~2005)建築家。おもな作品=「森博士の家」(51)、「私の家+続私の家」(54、70)。
*9 内田祥哉
(うちだ・よしちか/1925~)建築家。専門は建築生産のオープンシステム。おもな作品=「佐賀県立博物館」(70)。GUPは、64~78年の東京大学内田研究室の研究プロジェクトの名称で、正式には「A Group of University’s Prefabricated Buildig System」の略。
*10 鎌田紀彦
(かまた・のりひこ/1947~)室蘭工業大学工学部建設システム工学科教授(くらし環境系領域 建築グループ)。
*11 圓山彬雄
(まるやま・よしお/1942~)建築家。コンクリートブロック二重積みの住宅は「細田邸」(82)など。二重のブロックのあいだには断熱材と空気層がとられた。
*12 上遠野徹
(かとの・てつ/1924~)建築家。自邸「札幌の家」(68)は、コールテン鋼のフレームと断熱レンガ壁、南側全面の特注ペアガラスサッシ(これもコールテン鋼)で構成された平屋。「文化遺産としてのモダニズム建築 DOCOMOMO100選」のひとつ。
*13 山越邦彦
(やまこし・くにひこ/1900~1980)建築家。東京都三鷹市の自邸「DOMO DINAM-IKA」(33)はエスペラント語で、「動力学的住宅」の意味。乾式工法、パネルヒーティング、床暖房、浄化槽によるバイオマス利用など、パッシブでハイテクな領域を切り開いた。
*14 藤井厚二
(ふじい・こうじ/1888~1938)建築家。自邸「聴竹居」(27)は、環境を科学的に整理し、建築設計のツールとした記念碑的住宅といわれる。
*15 フランク・ロイド・ライト
(Frank Lloyd Wright/1867~1959)アメリカの建築家。おもな作品=「落水荘」(36)、「グッゲンハイム美術館」(59)。
*16 重力暖房
(Gravity Heating)ライトが「ユーソニアン・ハウス」と呼ばれる一連の住宅の第一号「ジェイコブズ邸」(36)で採用した床暖房の一種。地下に暖房機を据え、床をあたためて暖気を室内に誘導するという仕組み。アメリカで最初に床暖房を実現したのはライトとされる。
*17 レヴィットタウン
(Levittown)1947年から51年のあいだにニューヨーク州ロングアイランドに建設された1万7000戸の住宅からなる建て売り住宅団地。工期の早さと販売価格の安さで一躍有名になった。
*18 バックミンスター・フラー
(Richard Buckminster Fuller/1895~1983)アメリカの建築家、構造技術者、デザイナー。人類の生存を持続可能なものにするための方法を探りつづけた。おもな作品=「モントリオール万国博アメリカ館(ジオデシック・ドーム)」(67)。
*19 小泉雅生
(こいずみ・まさお/1963~)建築家。自邸は「アシタノイエ」(04・神奈川県横浜市)。
*20 曽我部昌史
(そがべ・まさし/1962~)建築家。自邸は「曽我部邸」(06・神奈川県横浜市)。
*21 塚本由晴
(つかもと・よしはる/1965~)建築家。貝島桃代とアトリエ・ワン共同主宰。自邸は「ハウス&アトリエ・ワン」(05・東京都新宿区)。
*22 千葉学
(ちば・まなぶ/1960~)建築家。おもな作品=「MESH」(04)、「switch」(06)。
*23 ダイマキシオン・ハウス
(Dymaxion House)フラー(*18参照)が提案した量産可能な住宅のプロトタイプ。水の再循環利用などエネルギーの自立供給も目指されたという。
*24 高間三郎
(たかま・さぶろう/1941~)設備設計者。科学応用冷暖研究所所長。
*25 アラップ
(ARUP)ロンドンに本社をもつ国際的な総合エンジニアリング・コンサルティング会社。1946年創立。89年、東京にアラップ ジャパンを設立。
*26 トーマス・ヘルツォーク
(Thomas Herzog/1941~)ドイツの建築家。単体の建築だけでなく、環境やサステイナビリティをテーマに展開する活動家としても影響力が大きい。93年よりミュンヘン工科大学教授。
*27 ミース・ファン・デル・ローエ
(Ludwig Mies van der Rohe/1886~1969)ドイツ生まれのアメリカの建築家。おもな作品=「ファンズワース邸」(50)、「シーグラムビル」(58)。
*28 ファクター4
(Factor Four)環境効率の指標のひとつ。資源生産性を4倍にする、言い換えると、同じ財やサービスを得るために必要な資源やエネルギーを4分の1にすること。その実現によって、豊かさを2倍にし、天然資源の浪費などの環境負荷を半減できるとする考え方。
*29 稲山正弘
(いなやま・まさひろ/1958~)木質構造家。東京大学大学院農学生命科学研究科生物材料科学専攻准教授。