TOTO
建築をあたらしくする言葉
 
建築をあたらしくする言葉
編者=市川紘司、連勇太朗
発行年月=2024年10月
体裁=A5版(210×148mm)、並製、272頁、日本語
ISBN=978-4-88706-410-2

ブックデザイン=泉美菜子(PINHOLE)

定価2,970円(本体2,700円+税10%)
言葉の新陳代謝を! ――不確かな世界/時代を生き抜くための39の言葉――
建築の実践、そしてそれを思考するための言葉は、近年、いちじるしく新陳代謝している。そのように変容する建築と言葉の新しい連携の見取り図を描くこと――それが本書の目的である。( まえがき より )
本書は、現在の建築の文脈や思考を読み解くための、39の「言葉」を選出し、変容する建築と言葉の新しい連携の見取り図を描くことを試みた、実践的「ガイドブック」である。1980〜90年代生まれの建築や都市、美術にかかわる実践者や研究者33名が執筆。
立ち読み
プロフィール
市川紘司(いちかわ こうじ)
1985 年生まれ。建築史家。博士(工学)。東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻助教、桑沢デザイン研究所非常勤講師。著書=『天安門広場│中国国民広場の空間史』(筑摩書房、2020、2022年日本建築学会著作賞)。共訳書=王澍『家をつくる』(みすず書房、2021)など。
連勇太朗(むらじ ゆうたろう)
1987年生まれ。建築家。博士(学術)。明治大学理工学部建築学科専任講師。特定非営利活動法人CHAr代表理事。株式会社@カマタ取締役。2012年NPO法人モクチン企画を設立、代表理事に就任。2018年@カマタ法人化、2021年CHArへ改称、同年明治大学専任講師に着任。プロジェクト=「モクチンレシピ」(2012〜)など。作品=《2020/はねとくも》(2020)。著書=『モクチンメソッド│都市を変える木賃アパート改修戦略』(学芸出版社、2017)など。「社会変革としての建築」をテーマに実践と研究を往還しながら活動している。
目次
アーバニスト/都市を生き、都市らしさを生む者たち/三谷繭子(都市環境デザイナー)
アクターネットワーク理論/すべてが連関する世界のなかに建築を位置づけてみる/市川紘司(建築史家)
移動/建築的想像力と移動・都市の再縫合に向けて/吉本憲生(都市・デジタルコンサルタント)
インフォーマリティ/人間の主体性をとりもどすための取り組み/雨宮知彦(建築家)
エコロジー/大きな環境体とふれる、生態学的コンテクスチュアリズム/海法 圭(建築家)
エレメント/建物の向こう側/砂山太一(コンピュテーショナル・デザイン)
家族/拡張する家族とハビトゥス/須崎文代(建築史家)
キュレーション/建築へのアクセシビリティを回復する実践/川勝真一(建築キュレーター)
空間の政治/東京の都市空間から考える/長谷川 香(建築史家)
グラデュアリズム/漸進的な建築の実践とその倫理/谷繁玲央(建築構法・建築理論)
グローバルサウス/南からの近代/林 憲吾(アジア建築・都市史)
ケア/制度や専門性を超えた建築へ/金野千恵(建築家)
建築情報学/情報を媒介に建築はより広く異分野とつながる/小見山陽介(建築家)
公共空間/がんじがらめの世界の余白/連 勇太朗(建築家)
コモンズ/なにを資源とみなし、どのように共有するのか?/連 勇太朗(建築家)
コレクティブ/異質な個人の連帯による集団性の枠組み/大村高広(建築家)
ジェンダー/規範を解体する――インターセクショナリティを考慮したデザイン思考/根来美和(キュレーター)
持続可能性/自然とつながるデライトフルな建築へ/川島範久(建築家)
循環/サーキュラーデザインをめぐる歴史的考察/岩元真明(建築家)
ソーシャルエンゲージメント/建築はより倫理的に――しかし同時に、より美的に/市川紘司(建築史家)
チューニング/ヒトとモノの持続的な関係性をめざす建築のつくり方/板坂留五(建築家)
日常美学/生活者による建築の「フレーミング」と美的評価/青田麻未(美学者)
人間中心主義批判――多元世界について│人間のリデザイン/川崎和也(スペキュラティブ・ファッション・デザイナー)
ハック/意味の反転ゲーム/元木大輔(建築家)
場の運営/機会を生む場を実装する/宮崎晃吉(建築家)
フィクション/揺れている/湯浅良介(建築家)
福島/共事者とひらく建築/小松理虔(地域活動家)
プラットフォーム/集積と分散、民主化と権威化/酒井康史(エンジニア)
プログラムミックス/サードプレイスの先へ/山道拓人(建築家)
保存と活用/保存と活用への現代的な試み/小柏典華 (建築史家)
メタデザイン/環境を創造するシステムのデザイン/連 勇太朗(建築家)
(ポスト)メディア/ソーシャルメディアの時代に建築はどう変わるか/市川紘司(建築史家)
モニュメント/それは必要か? どのようにともにあれるか?/小田原のどか(彫刻家・評論家)
らしさ/建築の不純さ――「新国立競技場問題」から考える/市川紘司(建築史家)
RtD(リサーチスルーデザイン)/客観的把握から動的世界の獲得、そして社会変革/連 勇太朗(建築家)
歴史/近現代建築史の歴史教科書問題/江本 弘(建築史家・建築家)
レジリエンス/複雑性のデザイン/井本佐保里(建築計画学者)
労働/建築設計はけっして特別な労働ではない/鮫島卓臣(建築デザイナー)
惑星都市/都市を「惑星」的視座から再考する/杉田真理子(都市デザイナー)