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堀部安嗣 建築を気持ちで考える
 
堀部安嗣 建築を気持ちで考える
5刷
著者=堀部安嗣
発行年月=2017年1月
体裁=A5判(210×148mm)、並製、320頁
ISBN=978-4-88706-364-8

アートディレクション=山口信博
デザイン=宮巻 麗

定価2,420円(本体2,200円+税10%)
堀部安嗣が建築への想いをつづる、エッセイ&作品集。
TOTO出版は、2017年1月20日(金)よりTOTOギャラリー・間で開催する展覧会「堀部安嗣展 建築の居場所」に併せて、『堀部安嗣 建築を気持ちで考える』を1月19日(木)に発行しました。

20余年にわたり住宅をメインに80を越える作品を手掛けてきた堀部安嗣氏は設計者として、建築が果たすべき役割、そしてその本質を常に追い求めてきました。「建築は人の肉体の不完全さを補うために生まれた」と考える氏は、自然と向き合い、周囲の環境に耳を澄ますことから、そこにあるべき最適な空間を探す作業を繰り返しています。そうして生まれた空間は、人を自然から守るだけではない、人に寄り添った安らぎのある「場」となって、長く住まい手に愛されています。

本書では、これまで建築に向き合ってきた氏の"気持ち"を2部構成で紹介します。
1章では、「自分の進むべき道を教えてくれるもの」として、氏に影響を与えた国内外の建築作品や建築家たちの魅力を解説。G.アスプルンド、L.カーン、F.L.ライトなど、最も影響を受けた5人の建築家について、実際にその作品に身を置き、学んだこと、感じたままの想いを、手描きのスケッチや自らによる撮りおろし写真と共につづります。2章では、処女作である「南の家」、「ある町医者の記念館」から「阿佐ヶ谷の書庫」、2016年の建築学会賞(作品)を受賞した「竹林寺納骨堂」などの近作、更に現在進行中のプロジェクトに至る43の作品を、氏が大切にしている8つのキーワードを通して振り返ります。その時々に氏が試行錯誤を繰り返してきた軌跡を辿りながら、建築家・堀部安嗣氏とその作品の魅力に迫ります。

建築やデザインに携わる方はもちろん、人の生活を支える基盤となる「住まい」について考えるきっかけとして、一般の方々にも是非手に取っていただきたい一冊です。
立ち読み
プロフィール
堀部安嗣(ほりべ やすし)
[略歴]
1967年 神奈川県横浜市生まれ
1990年 筑波大学芸術専門学群環境デザインコースを卒業
1991~94年 益子アトリエにて益子義弘に師事
1994年 堀部安嗣建築設計事務所を設立
2002年 「牛久のギャラリー」で第18回吉岡賞を受賞
2007年~ 京都造形芸術大学大学院教授
2016年 「竹林寺納骨堂」で日本建築学会賞(作品)を受賞

[著書]
2007年 堀部安嗣の建築 form and imagination(TOTO出版)
2014年 書庫を建てる 1万冊の本を収める狭小住宅プロジェクト(共著/新潮社)
2015年 堀部安嗣作品集 1994-2014 全建築と設計図集(平凡社)
2017年 堀部安嗣 小さな五角形の家 全図面と設計の現場(学芸出版社)
目次

はじめに

1章 私が影響を受けた建築

1.人間への眼差しの大きさ
エーリック・グンナール・アスプルンド設計の
「森の墓地」「ストックホルム市立図書館」から

2.コモンセンスの追求
ルイス・カーン設計の「リチャーズ医学研究棟」
「エシェリック邸」「ソーク研究所」
「フィッシャー邸」「キンベル美術館」から

3.時代を超える有用性と普遍性を表現した、建築の予言者
フランク・ロイド・ライト設計の「落水荘」「帝国ホテル」から

4.明るく芳醇なデザイン力によって切り開いた地平
アルヴァ・アールト設計の「アールト自邸」「アトリエ・アールト」
「セイナッツァロの村役場」「パイミオのサナトリウム」
「夏の家」「マイレア邸」から

5.森羅万象すべてを等価に扱うデザイン
カルロ・スカルパ設計の「ブリオン・ヴェガ墓地」
「カステルヴェッキオ美術館」から

6.私の建築の源流
「伊勢神宮」「東大寺」「新薬師寺」「法隆寺」「慈光院」
「高桐院」「高山寺石水院」
「中村家住宅」「銘苅家住宅」「屏山書院」から

2章 私の試行錯誤の軌跡

1.初めて、ひとりで  
「南の家」「ある町医者の記念館」

2.本来の建築の役割を考える
「屋久島の家」「屋久島の家Ⅱ」「八ヶ岳の家」「蓼科の家」
 湘南のゲストハウス」「軽井沢の家」「軽井沢の家Ⅱ」
「北杜の家」「里山住宅博ヴァンガードハウス」を例に

3.記憶の継承
「伊豆高原の家」「青葉台の家」「大美野の家」
「御殿山の家」
「逗子の家」「荻窪の家」を例に

4.ずっと昔からあったかのように
「由比ガ浜の家」「屋久島メッセンジャー」
「鹿嶋の研修所」「那珂の家」を例に

5.庭から生まれる建築の多様性
「市原の家」「我孫子の家」「善福寺の家」
「六郷の集会所」「倉敷の家」「住吉の家」「砧の家」を例に

6.静けさと光
「大泉の家」「屏風浦の家」「牛久のギャラリー」
「芦屋川の家」「北青山のマンション(改修)」より

7.「生と死」が共存する空間
「阿佐ヶ谷の書庫」「竹林寺納骨堂」

8.人と建築と場所のつながり
「イヴェールボスケ」「玉川田園調布共同住宅」
「KEYAKI GARDEN」「浜松の診療所」「浜松の家」
「鎌倉山集会所」「せとうちクルーズ船 guntû(ガンツウ)」
「葉山ホテル(計画案)」を例に

あとがき

作品データ

クレジット

略歴クレジット

関連書籍
堀部安嗣
著者=堀部安嗣
関連展覧会
2017年1月20日―3月19日