TOTO
三分一博志 瀬戸内の建築
 
三分一博志 瀬戸内の建築
4刷
著者=三分一博志 
発行年月=2016年3月
体裁=200×200mm、並製、304頁、和英併記
ISBN=978-4-88706-357-0

ストーリ・レイアウト=アレックス・ホメル・リー

定価2,860円(本体2,600円+税10%)
瀬戸内の原風景と共に描き出される三分一博志、初の作品集。

TOTO出版は、TOTOギャラリー・間にて2016年4月15日(金)より開催する「三分一博志展 風、水、太陽」にともない、作品集『三分一博志 瀬戸内の建築』を3月18日(金)に発行しました。
『ここに収められている写真やスケッチは、三分一自らが行った、それぞれの地域や集落の風や水、太陽などの「動く素材」についての発見・調査・研究の記録です』という書き出しで始まる本書は、過去の実績をまとめた作品集という概念を超え、建築家・三分一博志氏がそれぞれのプロジェクトとどのように対峙し、そこに何を見、何を創ろうとしてきたのかを、氏自ら撮り溜めたリサーチ写真と共に記録したアーカイブでもあります。
三分一氏がプロジェクトに向き合う時、リサーチに膨大な時間を費やします。少なくとも1年以上かけるというリサーチは、自ら敷地に足を運び、その土地に根付いた文化や人びとの営み、四季折々に変化する自然環境を観察することに始まり、その町並みの形成にも大きな影響を与える風や水の流れ、太陽の動きを丹念に読み解き可視化していきます。そうして創り出された建築は、その土地が本来もっている潜在力を最大限に引き出し、環境への負荷が抑えられるばかりか、その土地の文化や自然を後世に引き継いでいく役割りをも担っています。
本書では、三分一氏の代表作で日本建築学会賞(2011年)を受賞した「犬島精錬所美術館」(2008年、岡山県)から現在進行中の「おりづるタワー」(2016年、広島県)まで、瀬戸内の5つのプロジェクトのプロセスを、写真やスケッチ、図面などを交えて紹介するほか、(公財)福武財団理事長・福武總一郎氏や、三分一氏を深く知る建築家、研究者による寄稿文も収録し、多角的に氏の活動を俯瞰します。
また当作品集は、3月20日(日)に開幕する「瀬戸内国際芸術際2016」において、(公財)福武財団および直島町が主催する展覧会「The Naoshima Plan-三分一博志」と連動し、双方共通の公式ブックとなっています。
建築に携わる方はもちろん、建築家を志している学生の方、また建築の仕事に興味のある方など、多くの方々に手に取っていただきたい一冊です。

立ち読み
写真: © Shigeo Ogawa
写真: © Shigeo Ogawa
プロフィール
三分一博志 Hiroshi Sambuichi
1968年生まれ。三分一博志建築設計事務所を広島に設立し、現在デンマーク王立芸術アカデミー教授(非常勤)。
主な受賞歴に、2003年吉岡賞、2010年日本建築大賞2011年日本建築学会賞作品賞など。
目次

プロジェクト
宮島/宮島弥山展望台
六甲/六甲枝垂れ
犬島/犬島精錬所美術館
直島/直島プラン / 直島の家またべえ / 直島ホール
広島/おりづるタワー

エッセイ
地域固有種としての建築の種子/アレックス・ホメル・リー
大地を建てる/ミニック・ロージング
ウッツォンの後継者/モーエンス・プリップ=ブース
在るもの活かし、無いもの創る/福武總一郎
地球、あるいは瀬戸内海/千代章一郎

作品情報
寄稿者ほか
クレジット

関連展覧会
2016年4月15日―6月11日
関連講演会
2016年4月15 日(金)|イイノホール
講師=三分一 博志