TOTO
LIVING IN PLACE
 
LIVING IN PLACE
著者=フィールドオフィス・アーキテクツ+ホァン・シェン・ユェン
発行年月=2015年7月
体裁=A5判(210×148mm)、並製、288頁、和英併記
ISBN=978-4-88706-351-8

アートディレクション&デザイン=緒方裕子

定価2,420円(本体2,200円+税10%)
フィールドオフィス・アーキテクツ作品集、世界に先駆けて発行!
TOTO出版は、7月10日(金)よりTOTOギャラリー・間で開催する「フィールドオフィス・アーキテクツ展 Living in Place」にあわせて、『LIVING IN PLACE』を2015年7月9日に発行しました。

今、台湾で注目を集めている、建築家の黃聲遠(ホァン・シェン・ユェン)氏率いるフィールドオフィス・アーキテクツは、豊かな自然と文化に恵まれた台湾の地方都市・宜蘭(イーラン)を拠点に活動する設計集団です。本書は、彼らの20年にわたる設計活動を紹介する国内外で初となる作品集です。

彼らの活動の最大の特長は、地域に根ざし、その自然や歴史を大切にしながら、時代や人々のニーズに寄り添った新しい環境をひとつひとつ丁寧に創造してきたところにあります。本書では、そうした彼らの長年にわたる宜蘭の町づくりから得た4つの「悟り」をテーマに、その活動と思想を豊富なテキストと写真・図面によって紹介しています。さらに本文では、作品の解説にとどまらず、それぞれのプロジェクトに対して、どのようにアプローチし、数々の課題をどのように解決してきたのか、リサーチや住民との対話、行政との調整など、具体的プロセスが黃氏の言葉で語られています。

巻末には、同志であるスタッフとそのご両親へ向けた、心温まる黃氏からの感謝のメッセージも収録。また巻頭では、東北大学大学院教授・小野田泰明氏による「黃聲遠とは何者か」と題した解説文によって彼らの魅力が解き明かされています。

設計に携わられている方はもちろん、建築家を志している学生の方、また都市計画や町づくりに携わられている方など、多くの方々に手に取っていただきたい一冊です。
立ち読み
プロフィール
黃聲遠(ホァン・シェン・ユェン) Huang Sheng-Yuan
1963年台北に生まれ、台湾東海大学建築学士、米国イェール大学建築修士取得後、エリック・オーウェン・モスの事務所てプロジェクト担当に就いた後、台湾に帰国前にはノースカロライナ州立大学にて教鞭を執る。
建築の基盤は真実の生活の上にあり、決して固定し不動のものではなく、常に変化するものであるとの信念をもつ。このことを正確に認識するために、自然と曖昧で常に変化することを指向するようになる。これが黃聲遠と後に設立されたフィールドオフィス・アーキテクツの創作活動の特質である。
田中央工作群(フィールドオフィス・アーキテクツ) Fieldoffice Architects
フィールドオフィス・アーキテクツは創作において、長期にわたり宜蘭という土地に留まり、設計は県内を離れることがなかったことを反映して、一般的に通用するもっともらしい建築知識をもって説明しようとせず、徹底的に真実の生活に深く入り込み、自分とその土地の脈動をひとつに融け合わせたいと考える。このような認識のもとで、設計と絶えず変動する環境、使用性などの因子との間に言葉を必要としない関係をつくり上げている。フィールドオフィスにとって、設計の核心は建築的な建設に対応することではなく、また建築が完成して終わるものでもない。建築は使用開始後も、設計は依然として続くと考えている。それは、生活(あるいは使用)とは生きたものであり、永遠に続いていくものだとの信念からである。
目次

目次

序−—リビング・イン・プレイス  黃聲遠
黃聲遠とは何者か  小野田泰明
青空の下で−—フィールドオフィス年表
台湾 宜蘭 フィールドオフィス

悟りⅠ:時間と仲良く
宜蘭河畔旧市街生活回廊(第1束 維管束)1995-2008
河畔活動1 宜蘭社会福祉センター
河畔活動2 楊士芳記念林園
河畔活動3 西堤屋根付橋・宜蘭河堤グリーンベルト
河畔活動4 鄂王光小道
河畔活動5 津梅橋遊歩道
第1束 維管束大地図
Diu Diu Dangと蘭城三日月計画(第2束 維管束)2004-
第1+2束 維管束大地図
Diu Diu Dang活動1 Diu Diu Dang森林
Diu Diu Dang活動2 宜興路歩道+宜蘭鉄道倉庫再生+童話公園
三日月活動1 宜蘭酒造所再生
三日月活動2 宜蘭誠品書店(インテリアデザイン)
三日月活動3 中山小学校体育館+中山公園と周辺地域の再活性化+156通り
三日月活動4 旧城新堀割
三日月活動5 宜蘭美術館(旧台湾銀行宜蘭支店のリノベーション)
城南地区遊歩道(第3束 維管束)2009-
Diu Diu Dang高架橋下遊歩道
蘭陽女子高校前歩道再生
第1+2+3束 維管束大地図

悟りⅡ:山と海と水と土の間に暮らして
フィールドオフィス建築学校
石牌金面展望台
礁溪生活学習館
員山神風特攻機掩体壕ランドスケープ博物館
冬山河水門横公共トイレとランドスケープ
大坑取水所 武老坑石堰
マスタープラン(礁溪温泉地域+流水路+カバラン水公園)
砂丘ランドスケープ美術館(壯圍旅客サービス区)
+利澤焼却場ランドスケープ戦略

悟りⅢ:大キャノピーとランドスケープの参考線
三星役場全天候型広場(ネギ棚)
樟仔園歴史物語公園
羅東文化工場

悟りⅣ:自分自身の体で記憶し、慣れてしまった時間は自然に忘れる
櫻花陵園D区納骨廊
櫻花陵園入口橋+サービスセンター
渭水之丘/櫻花陵園
雲門新家

専門、一体何のために?  黃聲遠
スタッフリスト
略歴
主な受賞暦 クレジット
関連展覧会
関連講演会
2015年7月10日(金)|建築会館ホール
講師=黃 聲遠(ホァン・シェン・ユェン)