土地の所有が細分化されている日本では、デザインが統一された建築群による街並みをつくることは難しい。建築家も個別の建築のデザインではすぐれた腕を発揮するが、複数棟の建築をデザインして面的に街をデザインできることは稀だ。しかし最近では、個人の地主が建築家と組んだり、大きな企業や行政が建築家と組むことによって、面的なデザインに参画している建築家の作品が目立つようになってきた。単体の建築がよくても、それが群となったときにもよく見えなくては。それは機会に恵まれないとなかなか難しいのだが、その機を得た建築家たちの「面のデザイン」を、特集していく。
表紙/「BONUS TRACK」のアイソメトリック。
2023年7月1日発行