ギャラリー・間10周年記念 出展作家の原点作品展
鈴木了二

建築零年

1997年予定
作品写真
(藤塚光政撮影)

「建築」にとっての「零年」を、いつか決めてみたいと長い間待ち続けてきた。
「零」とは、単に「何もないこと」を言うのではない。
そうではなく、「零」とは、過剰と貧困とが等価となるような、記憶のハレーションと忘却の闇とが同時であるような、「建築なるもの」と「建築ならざるもの」とがみさかいなく交錯するような、不思議な時空のことだ。
最近携わる幾つかのプロジェクトのなかで、ほんのわずかにしても、そんな「零の感触」をわれわれは知った。
もちろん「零年」とは、「原点」を、ロッセリーニとゴダールの啓示によって言い換えただけにすぎない、とも言える。


前展覧会:物質試行35 空地・空洞・空隙 (1992)
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