ギャラリー・間10周年記念 出展作家の原点作品展
杉本貴志

茶室「素」

1993年
作品写真
(藤塚光政撮影)

意識と実在の一元化
優れた現代空間が現代的である最大の理由は、空間の存在、あるいは認識が実体であると同時に非実体でもあるところだ、と僕は考えている。空間は、ある素材としての実体をもちながら、同時に、純粋に意識化された非実体としての相反性を持つことになる。今回の「素」で制作された茶室は、意識として捉えられる空間と、それを形づくる実在としての素材をできるだけ一元化しようとした試みである。その理由のために鉄の廃材が選ばれた。つまり、詳細に意図を展開することで意識を形づくったと言えるかもしれない。


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