ギャラリー・間10周年記念 出展作家の原点作品展
ダニエル・リベスキンド

ベルリン博物館増築ユダヤ博物館

1996年予定
作品写真
(藤塚光政撮影)

「ベルリン博物館増築ユダヤ博物館」は、ベルリンの人々やユダヤ人のみを対象にしたものでも、過去のみに焦点を当てたものでもない。この作品が訴えようとしているメッセージは、全人類に等しく向けられているのである。この作品と関わることによって、私自身も博物館とは何か、という問いに対する新たな回答を見いだすことができ、またさまざまな要求、建築としての機能性、そしてフォルムという3つの要素の間にも、今までとは違った繋がりを表現することができたように思う。博物館とは、その非常に明確な用途から生じる要求事項をただ単にクリアしただけの存在ではなく、それ自体が希望の象徴なのだと思う。ゆえに、政治や文化、また人間の精神が根本的な変革を遂げるであろう21世紀に相応しい建築として、これまでとは異なる道徳的要素の強い建築がますます求められるようになるだろう。


前展覧会:豊饒の沈黙 (1994)
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