『人類の前には二重の眺望が開けている。一方には快楽や恐怖や死の眺望−−まさしく詩のそれ−−そして反対側には科学や効用性の現実的世界の眺望』とジョルジュ・バタイユが言うところのその二つの眺望を繋ぐあるいは制御するような建築をつくりたいと思う。あるいはかつてステファヌ・マラルメが到達しようとした言語の極北に見出されるやもし れない〈不可能な空間〉をつくりたいとも思う。いずれにしてもそんなところに私にとっての建築の原点があるような気がする。