遠く宇宙から放たれる光を受け止める装置体としての建築。自然にしなやかに感応しようとする装置体としての建築。街並みに回路を持とうとする装置体としての建築。人々の生き生きとした活動を誘発する装置体としての建築。幾重にも錯線するシステムにより構成される、この複雑な世界に対応しようとする装置体としての建築。
今、私のなかには、建築を装置体として捉えようとする関心が大きく膨らんでいる。それによって、従来まで見過ごしていたことが見えてくるかもしれない。新しい解釈の枠組を導入できるかもしれない。そのような視点から今までのプロジェクトを遡ってみたとき、現在の私の表現とは異なるものの、光や風、音をコントロールしながら、街路への関係を求めようとする、装置体を内包した「成城・バス停前の家」に戻り着く。