「写真は説明ではない」と断言する写真家の藤塚光政さん。
建築を撮影するとき、竣工までの幾多の営為の所産をできるだけ説明しようと、あれもこれも入れたくなることがある。
しかし、それが本当に伝わる写真になっているとは限らない。
ひとりの人間が想いを込めてシャッターを切ったとき、一見主観的な写真が生まれそうではあるが、むしろ、そうした強い意志が内包された写真にこそ、情緒すらも感じさせる伝達力があるのではないか。毎日デザイン賞特別賞の受賞を契機に、建築の本質を射抜こうとする藤塚さんに写真術を聞いた。
渾身の住宅写真とともに紹介する。
表紙/藤塚光政さんとカメラ(Canon VL)。
表紙撮影/川辺明伸
2021年1月1日発行