想い入れのある建物を残したいと思っても、その土地での開発計画など、時には同じ場所では残せない事情がある。そんなとき、やむをえず建物をこわす以外にも、検討したいのが、「移築」という道。 木造は、一度解体しても、また別の場所で組み立てることができるため、昔から日本では、移築が行われてきた。それは今でも実践されており、さまざまな記憶や技術の継承に役立っている。既存の建物を生かすことが求められる時代だからこそ、忘れられかけている「移築」という選択肢を見直したい。新しい手法にも注目し、現代における「移築」の可能性を考える。
表紙/「玄孫」の外観。
表紙撮影/藤塚光政
2018年7月1日発行