入賞句

 
 

選考内容について

今年もTOTOでは、7月20日~9月20日の期間、「第14回トイレ川柳」を募集し、20,835句ものご応募をいただきました。
選考は「おしりだって洗ってほしい。」や「ココロも満タンに、コスモ石油」など、名キャッチコピーを生み出したコピーライターの仲畑貴志氏。
今年度は、ネオレスト賞(1句)、未来のトイレ賞(1句)、仲畑貴志賞(3句)、キッズ賞(3句)、優秀賞(12句)、佳作(20句)が決定しましたのでご紹介します。

審査員コメント

コピーライター仲畑貴志氏

今年の最優秀賞はご覧の通り「百点の テストを我が子 トイレ置き」になりました。百点を家族に告げたいけれど、あからさまには伝えるのははばかられる。子供のうれしさと含羞(がんしゅう)があり、その伝え方の手法としてトイレに置く。トイレは家族のすべての人が利用するという前提があってのコトで、子供なりの知恵が見える。たった5・7・5の17文字の中に、これだけのことが表現されている。良き句には、単一ではなく複数の事象や思いが入っていますが、この句は、その良きお手本といえるでしょう。
今年はバラエティに富んだ句が集まりました。トイレ川柳も、回を重ねると、すでに表現された視点や発想も多くなり、世界が狭くなるのではと危惧していましたが、まだまだ肥沃な表現世界はあるようですね。確かに、人間の思いというものには、果てもなければ限りもない。悲しさも喜びもそれぞれ深く広いものなんです。人は思いを心に溜めすぎると心が重くなる。だから表現するわけですが、その表現には共感する人がいる。共感というのは、作者の思いが理解されたこと。それは、存在確認につながり安堵が生まれます。
生きやすくするための工夫の一つとして、川柳をご利用ください。 仲畑貴志