SDGs×TOTO 持続可能なあしたへのとりくみ SDGs×TOTO 持続可能なあしたへのとりくみ
TOTO社員のSDGs活動をご紹介

環境

インタビューテーマ

「包装材の知られざる工夫」

使う人、商品、環境
すべてにやさしい包装材で
商品を世界中に届ける

ウォシュレット生産本部

製品包装設計担当

「包装材」は商品の一部!
TOTO包装開発のユニークな点とは?

皆さんは、包装材は資材メーカーが作るものだと思っていませんか? 実はTOTOでは、包装材も商品の一部と考え、商品開発と同様に自社で設計・開発を行っています。何十年も前からTOTOの先輩たちは「大事な娘に嫁入り衣装を着せて送り出す」という想いで包装材を開発していて、今も当時の「包装5カ条」がしっかり受け継がれているんです。
私はウォシュレット(※)の包装・印刷物の開発設計を担当していますが、ウォシュレット部門だけでも国際的な包装材の賞を5件受賞しています。製品メーカーと段ボールメーカーが一緒に受賞する場合が多い中、TOTOのように製品メーカー単独で受賞しているケースはなかなかユニークなのです。
ちなみに私が開発に携わったものの一例としては、内容物にフィットする包装箱(通称・ZUBOT)があります。これは、緩衝材をぐるぐる巻いた補修品を必要以上に大きい箱に収納するという問題を解決するために設計され、緩衝材の削減や箱の小型化・統一化につながりました。

TOTOの包装5カ条(左)と、「ZUBOT」(右)。
波形状の切り込みに商品をズボッと入れると多種多様な形状の商品に包装材がフィットすることで
誰でも簡単に収納することができます。

(※)ウォシュレットはTOTOの登録商標です。





包装材の開発においては、
どのような環境配慮が行われていますか?

TOTOでは2000年代以降、環境配慮を目的に3R(リデュース・リユース・リサイクル)を原則とした独自の「包装設計ガイドライン」を設けています。例えばウォシュレットの包装材に関する規定では、「発泡スチロールは回収処理できるルートが確立していない限り(包装には)使用しないこと」「梱包材は現場で容易に回収、処理できる材質、構造であること(適切かつ安全に廃棄できること)」などが定められているので、包装材には主に古紙を

使った段ボールを採用し、使用量も可能な限り減らしています。その結果、2021年度は2013年度比9.6%の包装材料削減を達成しました。また、包装サイズを小さくし輸送効率を高めることでCO₂排出量削減にも貢献しています。
こうした取り組みをSDGsのゴールに照らし合わせると、ゴール13「気候変動に具体的な対策を」やプラスチックを包装材から減らすことでゴール14「海の豊かさを守ろう」への貢献につながりますし、ゴール12「つくる責任つかう責任」にも深く関わります。TOTOでは社会や環境に貢献するさまざまな商品を作っているので、それらの商品をお客様の元にお届けする私たちの仕事そのものが社会貢献だと思っています。





使う人や環境へのやさしさがつまった包装材開発。
この仕事の一番のやりがいは?

苦労の末にアイデアを形にし、より良い包装材となって世界中のお客様へ無事商品をお届けできることは、まるで自分が世界中を飛び回っているようなやりがいを感じます。以前、海外の厳しい輸送環境に対応するために、段ボールを折り重ねることでバネのように復元する緩衝仕切を開発しました。段ボールは一度潰れると元に戻らない弱点があるので、発泡スチロールを使うしかないのではという意見も出ていましたが、あきらめることなく段ボールの

可能性に挑戦して実現させることができました。今は新商品用に、新たな段ボール緩衝仕切を開発中です。発売されるのがとても待ち遠しいですね。
製品よりも短命に終わってしまう包装材だからこそ、使命を果たし一瞬でも輝けるように、技術やアイデアを注ぎ日々真剣に包装設計に取り組んでいます。今後も包装のトップランナーを目指し切磋琢磨していきますので、皆さんもぜひ、捨ててしまう前に包装材に目を向けてみてください。きっとおもしろい発見があると思います。

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