環境
「限りある水資源を守り、未来へつなぐ」
エコで快適なトイレの普及は、
世界の環境や教育、
ジェンダー問題にもつながる
節水トイレ開発担当
節水トイレを開発する
むずかしさとは?
TOTOではこれまで、水まわりの中でもとりわけ多くの水を使うトイレの節水に取り組んできました。この20年ほどの間に、1回あたりの洗浄水量は8リットルから6リットル、さらに4.8リットルへと節水が進み、現在は3.8リットルの超節水便器を発売しています。
節水トイレを開発するむずかしさは、何より「節水」「洗浄性能」「快適性」を成立させることです。きれいに流すにはある程度の水量が必要なので、そもそも節水と洗浄性能は相反する関係性にあるのです。そこでTOTOでは、渦を巻くような水流によって少ない水量で便器をまんべんなく洗う「トルネード洗浄」を開発するなど、世界初の技術開発を行いながらさらなる節水にチャレンジしています。トイレの洗浄水量は国や地域によって規制が設けられているため、各国のルールに適合できる商品を開発しなければならないむずかしさもありますね。
節水以外にも、トイレでできる
SDGs貢献はありますか?
11月19日は国連が制定した「世界トイレの日」だということをご存知でしょうか。トイレ普及の遅れは不衛生な生活環境をもたらし、下痢などの疾病を引き起こします。途上国では、乳幼児が下痢にかかると命に関わる場合があるため、トイレの整備は世界中の人々の健康的な生活にとって本当に欠かせないものなのです。節水による環境保全はもちろんですが、ゴール3「すべての人に健康と福祉を」の視点からも、機能的で快適なトイレを世界に普及していくことは大きな社会貢献になると考えています。
さらに、世界ではなんと3億6700万人もの子どもが、トイレのない学校に通っています※。特に女の子には、生理中に学校に行きづらいという問題も。そう考えると、トイレの普及は教育やジェンダーの平等にもつながることが分かります。
※出典:独立行政法人国際協力機構(JICA)ホームページよりhttps://www.jica.go.jp/topics/2020/20201119_01.html
TOTOで働くことで、
社会に貢献する意識の変化はありましたか?
TOTOには「社会の発展に貢献し、世界の人々から信頼される企業を目指す」という企業理念があります。若い頃はあまり深く考えずにこの理念を唱和していましたが、海外勤務をきっかけに意識が変わりました。世界中どこへ行っても、同じ想いを持って社会貢献に取り組む仲間がいる。それはとても幸せなことだと、誇りに思うようになりました。
また、今回のインタビューで改めてSDGsについて調べ、業務だけでなく個人の行動でも貢献できることがたくさんあると分かりました。
健康診断を受ける、咳エチケットを守る、食事を残さず食べる、選挙に行く……。一人ひとりが改めてSDGsを理解し、できることから貢献につなげていくことが重要だと思います。