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トートー × マガジンハウス グリーンジャーナル
環境をとりまく問題にもっと敏感でありたい。そして、毎日の生活にエコを楽しく取り入れたい。環境をテーマに最前線で活躍するジャーナリストがいま注目すべきニュースやアクションをレポートします。
グリーンジャーナル VOL.8 オフィスがエコになると働く人もエコになる。

エコなオフィスで働く人々のエコな意識。

職場がエコになると、そこで働く人々の意識は環境に関し、どのように変わってくるものなのでしょうか。前編でご紹介した3つの職場で働いている人々に、そのあたりの気持ちの変化、そして今の自分の環境に対する気持ちなどを、伺ってみました。

加藤 晃さん馬郡恵子さん井田香織さん下村直樹さん鈴木雅詔さん

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加藤 晃さん コクヨファニチャー 設計推進部 勤務

コクヨ最先端オフィス「ライブオフィス品川」で、最先端の働き方を実践しているのが、オフィス空間の設計などを担当する加藤さん。ここのオフィスに移ってきて約1年。正直、それまではエコというものに「正直、ピンと来ていなかったのが現実」だったそうですが、ここで働くようになってから。

「例えば、買い物に行っても、ビニール袋をもらわなくなりました。また、この職場は基本的に、午後7時に消灯になります。そんな環境で仕事をしていると、家に帰っても電気をこまめに点け、消すようにもなりました」という、細かな節約系エコに気を使うようになりました。さらに。

「自分のマイカップを持つようになりました。これでいろんなことが変わりましたね。なにが変わったのかと言うと、朝とコーヒーとの付き合い方が変わりました。朝、自宅でコーヒーを入れて、この保温のマイカップに入れて持ってくるんです。しかも、そのコーヒーを入れるお湯なんですが、南部鉄器を使って湧かしています。これで湧かしたお湯でコーヒーを入れると、味が全然違うんですね。そんなことに気がつくようになったのが、自分自身の意識の変化かなと」。

エコに気を払っていたら、水を湧かす道具の善し悪しまで気がついた加藤さん。これからも、マイカップに入れるおいしいコーヒーを求める楽しみは、さらに続いていくようです。

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気分転換にも、アイディアのひらめきを待つためにも、ガーデンオフィスを使う加藤さん。「ひらめきは、手帳に書き留めています。これまでより、手帳を活用するようにもなりましたよ」

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馬郡(まごおり)恵子さん コクヨファニチャー 商品戦略部 勤務

同じく『エコライブオフィス品川』で働く馬郡(まごおり)さん。彼女も前の加藤さんと同じく、1年ほどこの職場で働いていますが、今となっては、彼女のオフィスのエコ常識は、他のオフィスとは、ちょっと違う視点にあるようです。

「このオフィスにはいろいろ仕組みがあるのですが、私個人で一番大きいのは、レスペーパー化です。いろんな席を転々とするフリーアドレスの働き方をしていると、書類が多いと移動がしづらいし、荷物も重たくなる。いままでは、会社に『紙を減らしなさい』と言われても、そんなに意識はしなかったのですが、自分の荷物が重くなるから、と思うと、どんどん紙を持たないようになりました」。

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彼女の日常的なワークスタイル。このバッグの中に、パソコン、簡単な資料、手帳など、机の上にあるべき仕事の資料が一式入っています。ムダを省くと、これぐらい身軽になれます。

紙でもらう資料は、ほとんどスキャンして、データ化してサーバーに保存。カタログなど取っておくべき紙資料は、本棚で共有。資料を紙という物理的なものではなく、情報として共有することで、その資料を探したり、持っている人に借りたり、という手順が省けるようになったというのも利点だとか。

「自分では、あまり意識していなかったんですけど、ホントに紙を使わなくなりましたね。他の事業所から人が来ると、ものすごいプリントするな、っていう印象が出てきちゃいました。「あ、刷っちゃったんですか」なんてつい口に出してしまって、相手はキョトンとしていたり」。

自分の荷物を軽くするために、結果としてエコなことを行っている馬郡さん。なるほど、身近な問題にエコを置き換えると、スムーズに行動へと移せるようになるものなのですね。女性ならではの視点とも言えます。

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井田香織さん 京王プラザホテル 宴会部 ブライダル 勤務

「個人的には、エコは節約につながると思うんです」と、これまた女性らしい視点から、エコを捉えている井田さん。彼女は京王プラザホテルで、主に結婚式をコーディネイトする仕事をしています。改装の済んだコンコードボールルームは、彼女のメインの職場です。

「コンコードの照明をLEDにしたのも、もちろん環境のためというのもあるんでしょうけど、光熱費を抑えられる、とかそういうことも大きいと思います。いろんなエネルギーを無駄に使わず、節約しようという意識が、そのままエコとしての活動になっているんでしょうね」

節約ということが、環境保全にそのままつながることを、環境配慮型の宴会場で働くことにより、彼女は改めて認識しました。また職場であるホテルをよく見ると、節水トイレ、水のバイオ浄化など、環境を配慮した施設がたくさんあります。それに気がつき始めたころから、彼女の生活は少しずつエコ型に変わっていきました。

「これまでは全く気にせずスーパーの袋をもらっていたので。意識が変わると行動も変わるんだな、っていうのを認識しています。洗濯も、ちょっと面倒ですけど、お風呂の水を使ってやるようになったり。生活の中での無駄な部分が少しずつ見えてきた、って感じですね」。

なかでも、買い物バッグは、彼女お薦めのエコ活動のひとつだそうです。

「例えば友人に、何かプレゼントをしようと思ったとき。最近はエコバッグもかわいいものが増えていますよね。そういうのを渡して、『かわいいエコロジーもできるんだよ』というメッセージを広めています。広められていると思います(笑)」。

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「買い物バッグは、できるだけかわいいものを選んでます」と井田さん。「マイ水筒は、社内の男性の間でも、使用率がどんどん上がってきていますね」

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下村直樹さん 京王プラザホテル 総務人事部 勤務

京王プラザホテルで、現在人事を担当している下村さん。彼は、現在の職場に異動になる前に、レストランでの勤務、そして京王プラザホテル内の社会貢献チーム「バーズアイ」に参加し、エコロジーのさまざまな現場を目の当たりにしてきました。

「たとえばレストランの残飯。どんなに気を使っていても、ついフォークやナイフなどがゴミといっしょに捨てられてしまうものなんです。これを取り除く作業などを通して、分別の大切さをカラダで感じました」。

他にも、ゴミの処理工場の見学や、ペットボトルのキャップを集める作業など、さまざまなエコ活動に参加してきた下村さん。入社当初からそういったエコな社内教育を受けてきた結果、現在は学生時代とは全く違った意識で毎日の生活を送るようになりました。

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「ペットボトルのキャップは、今も集めています。数は忘れてしまいましたが、集めると、ポリオワクチンに変えることができるんです。身近なことなら、続けられますからね」。

「それまでお弁当の容器なんかは、食べたらそのまま捨てていたのですが、いまでは洗ってから捨てるようになったり、職場、自宅の電気をこまめに消すようになったり。また、街で行われているいろんな環境活動にも興味が出るようになりましたね。例えば『100万人のキャンドルナイト』とか。それまでは目にも止まらなかったんですけど」。

週末にしか買い物をしない下村さんですが、そのときにも買い物バッグを持ち歩くようになりました。ただ、彼の持つ買い物バッグは、前の井田さんとは違い、身近にあった、人からもらったシンプルなもの。なんだ、今そこにあったものを使ってるだけですかね? 「そうなんですけど、でも、ホントに使いやすいんですよ、これ」。だそうです。

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鈴木雅詔さん トートー リサイクル研究グループ 勤務

そして最後は、TOTOのリサイクル研究グループの鈴木さん。実はこの鈴木さん、現在勤務しているリサイクル研究グループを、ゼロから立ち上げた張本人でもあります。

「プロジェクトが始まってから、実際に動き始めるまでの5年間、とにかくリサイクルのことを考えていました。リサイクルって、言葉では簡単ですが、実際にそれを行おうとすると難しいですよね。手間もお金もかかりますし。ともすれば、うやむやにされてしまうことも多いのです」。

使用済み製品を回収し、それを文具として再利用する、という仕組みそのものを作ってきた鈴木さん。一番大変だったのは、企画を進めようとするうちに、拒否はされないけれど許可がなかなかおりず「うやむやになって」しまいそうなリサイクルというものを、実現するために粘ったことだったと言います。

「企業の仕事となると、個人の思いだけでは動かないことが多くあります。このリサイクルの提案もそうでした。外部の企業に協力をあおいでも門前払いだったりすることもありました。ですから、環境保全に対して自分が正しいと考える想いを、ねばってねばって、なんとか押し通すというのが、本当のエコということになるではないかと、今は思っています」。

そのねばってねばった結果が、鈴木さんのポケットに入っているボールペンたち。先にも述べましたが、これら再生グッズは、ただ作っただけでなく、ネットを通して社内で販売され、再び使用されています。

鈴木さんが行っているのは、リサイクルの大きな輪の仕組みを作る、という仕事。その輪の仕組みを作った人が一番うれしいのは、その輪をつなぐ作業に、ひとりひとりが賛同してもらえる、ということのようです。鈴木さんの場合で言えば、再生した製品を使ってくれている人がいる、ということ。

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1 TOTOリサイクルボールペンが、いつもパンツのサイドポケットにスタンバイしています。 2&3 「自宅でドングリを育てています。来年の植樹イベントで植えようと思って。また、廃材というか、捨ててあった台を譲ってもらって、ステレオのラックを作っ たりもしました」。リサイクルという仕事から、環境への関心はふくらむばかりで、エコ検定も取得したという。

エコなオフィスで働いていると、そこで働く人々の意識も、それぞれではありますが、ムダを省く=エコという方向に向かい始めるようです。企業の経理さんにしてみれば、「あら経費が減ってうれしい」ということになるのかもしれませんが、それもまた、エコを考える心がもたらすひとつの恩恵。

このように、地球にも、人にも、そして企業そのものにも優しくなるのが、今どきのエコオフィスのようです。全国の社長さん、もし職場の改善をお考えなのであれば、思い切った環境配慮を行うのが、経費の削減と社員のやる気につながるのかもしれませんよ。

[ライター・中村浩一郎 カメラ・柿澤りか]

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<関連リンク>

 今どきのオフィスは、どんどんエコになっています。 1 2

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