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トートー×マガジンハウス グリーンジャーナル
vol.3 ドイツにならうエコハウス。
第3章 エコな暮らしを支えるのは、社会制度と人々の意識。
子供たちが事故の心配なくのびのびと遊べる住宅地
クルマの乗り入れを制限しているわけではないが、ヴォーバン地区の住民の80%がクルマを持たない選択をしている。エコなだけではなく、子供たちが事故の心配なくのびのびと遊べる住宅地でもある。(写真/村上 敦)

社会システムの整備と理解度の高い市民が
エコな街作りを支える。


ドイツのヴォーバン地区がエコな理由は、エコハウスだけではありません。この街の人々で協同組合を作り、自ら進んでエコに暮らせる街作りをしていることも重要です。
ドイツでも集合住宅はデベロッパーが建てた家を買うのが一般的です。しかしヴォーバン地区では、住民が共同で土地を購入し、建築家に依頼をして建てます。その過程で人々が出合い、理想の住宅について話し合います。そうやって環境に対する意識が高いひとたちと関わることで、ひとりひとりの環境への意識が高まり、街全体にエコハウスが広がっていくのです。行政の環境問題へのサポートも大きく、自然エネルギーを利用した建築はEU委員会や連邦政府の補助を受けられます。
パン屋さんやカフェ、本屋さんが街の中心にあり、毎日の買い物は自転車と徒歩で移動可能な、クルマを使わなくても快適に暮らせる街作りがされ、街の入口にあるスーパーマーケットは、商品を宅配してくれます。遠出の時は、スーパーマーケットの駐車場にはカー・シェアリングも設置されています。
また、ヴォーバン住宅地は「自然を生かして快適に暮らせるように設計された街」でもあります。吹き降ろしの山が南側にあるため、それにあわせて爽やかな風が流れるように街区が設計されました。市の規定以上に省エネな家を建てるとき、つまりパッシブハウスに関しては南向きの土地が分譲されます。パッシブハウスを除いて、残りのすべての建物は地域にある暖房用の集中給湯施設とつなぐことが条例で定められ、街ぐるみでの省エネ対策がとられています。
そのほか、ごみ収集は有料。4人家族では月に3000円強ほどの負担になってしまいます。そのため常になるべくゴミを出さない生活をすることが普通の生活として定着しています。また、資源のリサイクルボックスに出すのは無料なので、古着やビンを資源として分別回収したり、さらにデポジット(預かり金・容器返却時に返金される)つきリユースのビンを購入するなど、普段から環境を意識して生活することが根付いています。
日本に暮らすわたしたちも普段から環境について意識してみる積み重ねをしていけば、ヴォーバンのような街作りを支えられるかもしれません。
アンドレオス・デレスケさん
ヴォーバン地区の協同組合の代表を務めるアンドレオス・デレスケさん。電気設備の設計士として、自ら設備に関与したパッシブハウスに住む。
ソーラー・ガレージ 地域暖房の施設
左:ヴォーバン地区の入り口にある「ソーラー・ガレージ」には、1階にスーパーがあり、2階以上にはカー・シェアリングの施設と駐車場が備わっている。ヴォーバン地区では80%もの住民がクルマを所有しないことを選択している。
右:ヴォーバン地区の外れにある地域暖房の施設。外のパネルに、施設の稼動の状況が表示されている。ここで集中的にお湯を沸かして、各家庭にパイプで届けられている。
回収ボックス 古着を回収するボックス
左:フライブルク市では、ビンを透明、緑、茶色の3色に色分けして回収ボックスに入れれば、ごみではなく「資源」として回収される。
右:ビンだけではなく、古着を回収するボックスもある。こちらは、市ではなく地域の団体が回収を行って、必要な国や地域に援助している。
エコハウスに近づくために私たちができること。

実際いま暮らしているところがエコハウスでなくても、いままで見てきた環境に優しい暮らし方を応用することができます。エクセルギーハウスを設計している建築事務所「エクセルギー」(旧社名アルキテクタ)の黒岩さんのお話によれば、人間が暑さや寒さを感じる要素は、温度、湿度、風、そして放射。部屋そのものの温度や湿度以外に、壁、床、天井などの部屋を囲む部分からの「放射」も重要な要素です。例えば、黒岩さんの言う「窓越し緑視率」。窓の外に見えるものがビルの壁であれば、その壁からの放射で室内が夏は暑く、冬は寒く感じます。逆に、緑は熱を吸収してくれます。夏場に窓から緑が見えるように植物を植えることは、直射日光を避けるだけではなく、放射によっても暑さを和らげてくれるのです。よしずやすだれも、「窓越し緑視率」を高める効果があります。また、黒岩さんの建築で利用されている風の流れの活用も効果的。家具の配置などを見直して家の中に南から北に風の通り道を作ってあげると、風の流れる家になります。無理をしてエアコンの設定温度を高める前に、電気を使わずに快適に暮らせる家作り。この夏、ちょっとした工夫で快適に過ごしてみませんか。
アンドレオス・デレスケさん
窓の外の景色に占める緑の割合を増やすと、建物や舗装面といった高温の物体から放射される熱をさえぎることになります。窓越し緑視率を上げると涼しくすごせるのです。


取材協力先のエコハウス情報
ダイワハウス「xevo(ジーヴォ)」 エクセルギー「エクセルギーハウス」


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