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TOTO×マガジンハウス 環境と建築:Vol.5 コンテナ建築の吉村靖孝さん  小さく住んで、大きく集う。


インフラを組み込むと、都市計画も変わる。

実は吉村さんは、エクスコンテナ以前に、
やはりコンテナサイズの緊急災害時のインフラフリーユニット
「EDV-01」を完成させています。

「ダイワリースという会社との共同プロジェクトです。
トイレはバイオトイレを用いて、水を循環させています。
ほかに空気中から水分を取り出す装置やソーラーパネル、燃料電池など、
すべてのインフラ設備をコンテナに納め、
入れ子状になった外壁が油圧でせり上がると、
2階部分に居住スペースが生まれる仕組みになっています」

1棟だけのコンセプト住宅ということもあり、
実際に被災地で活躍することはありませんでしたが、
「インフラフリーというのは、エンジニアならではの面白い考え方だと思いました。
被災地向けだけではなく、すべての住宅にインフラが装備されると、
都市計画も変わるからです。
何故なら、下水道やガス、電気といったインフラを引き込むために、
建築は道路に面していなければいけません。
でもインフラを装備していれば、どこにでも建てられるようになりますし、
道路も最小限ですみます」

都心部では相続税、郊外では道路の拡張や区画整理などで
しばしば住宅を長く維持することが難しくなります。
また住み手の家族構成の変化によって建て替えが余儀なくされることも。

「そうした住宅が長く維持できない社会的プログラムであるのならば、
移設可能でリユースできるというのは、
地球環境に対しても、ひとつの解決策に成り得るかもしれません」

例えば転勤の際、赴任先まで家ごと引っ越しなんてことも、コンテナ建築なら可能。
インフラを整備していれば、さらに移築は簡単になります。

「エクスコンテナも、今後もっと性能アップとコストダウンできるよう、
進化させるつもりです。
住居以外にも店舗やオフィスにも転用できれば、
移築、再利用のサイクルが創出しやすくなりますから」

今あるスクラップ&ビルドの状況に、
コンテナ建築は一石を投じようとしています。

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インフラフリーユニット「EDV-01」持ち運ぶときはこの状態。
©Yasutaka Yoshimura

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自力で伸びて2階建てになる。1階部分にインフラ設備を収納。
©Yasutaka Yoshimura

家に拘束されない新しい住まいの提案

「住宅が簡単に手に入ればいいな」との発想から、
最小ユニットのコンテナ建築を創造した吉村さんは、
同時に「住宅で生活の深さを得るのであれば、
ある程度の大きさは必要」だとも考えています。

「家が小さいと、その中でできることが限られてきます。
でも都心部ではなかなか大邸宅を建てることはできません。
大きな家に住むという文化も残していけるプログラムが
何か出来ないかなとも、考えてきました」

そのひとつの答えが、「ノーウェアリゾート」。
都心から車で1時間ほどの横須賀市佐島に位置した一軒家や、
葉山の御用邸近くのリノベーションした古民家を、
1週間単位で賃貸するリゾート・プログラムです。

「住むと泊まるの中間的発想です。
都心部の小さな住宅だけに拘束されることなく、時には大きな家に住んでみる。
分散して家を持つというライフスタイルの提案でもあります」

大きな家は別荘であれば、可能かもしれないけれど、
個人個人が別荘建てるよりも、こうした短期賃貸の一軒家をいわば共有した方が、
環境負荷ははるかに小さくなります。
軽快に移設・リユースできるコンテナ・プロジェクトに加え、
大きな家に住む文化の継承まで考察する吉村さんは、
家に拘束されることのない新しい住まい方を、創造しています。

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Nowhere but Sajimaは海に面して建つリゾート。
©Yasutaka Yoshimura

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Nowhere but Sajimaの海を感じるダイニング。
©Yasutaka Yoshimura

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Nowhere but Hayamaは、一色海岸を目の前に臨む築80年の日本家屋をリノベーションした一軒家。日経アーキテクチュア 2009年5月29日号掲載 ©Chiaki Yasukawa

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Nowhere but Hayamaのダイニングはナチュラルな洋風。日経アーキテクチュア 2009年5月29日号掲載
©Chiaki Yasukawa

 

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